SSHとVNCを利用する

この章で解説するリモートアクセスには、SSHVNCという2つの規格を利用します。

SSHとは

SSH(Secure Shell)とは、ネットワーク経由で他のコンピュータに接続するための規格です。 接続先のコンピュータにログインして操作するだけでなく、ファイルの受け渡しを行うこともできます。

SSHでは通信内容が暗号化されるため、安全ではない(盗聴されている可能性がある)環境でも安心して利用することができます

また、SSHでの接続中は他のソフトウェアの通信も暗号化させることができます

  
SSHでの接続では、キーボード入力による操作しか行えません。 つまり、端末での作業と似ています。 接続先のコンピュータのデスクトップ画面は表示されませんし、マウス操作も行えません。

VNCとは

VNC(Virtual Network Computing)とは、ネットワーク経由で他のコンピュータのデスクトップ画面を表示・操作するための規格です。

あたかも接続先のコンピュータの前に座っているかのような感覚で操作することができます。

ただし、VNCにはセキュリティ上の問題があります。 通信内容が暗号化されないため、セキュリティリスクがとても高いのです

  
VNCは規格であり、その規格に対応したソフトウェアは多くあります。 ソフトウェアによっては暗号化に対応していますが、同じソフトウェア同士での接続でしか暗号化は行われません。
  
Linux PCとWindows PCが混在する環境では同じソフトウェアで揃えることは難しいです。

そこで登場するのがSSHです。 SSHで接続中であれば他のソフトウェアの通信も暗号化してくれます。

SSHと併用することで、VNCを安全に利用することができるようになります。

  
  

まとめ

SSHを利用することで、ネットワーク経由で他のコンピュータにログインすることができます。 通信内容は暗号化されるため、セキュリティ上の心配もありません。

また、SSHにはファイルの受け渡しの機能や他のソフトウェアの通信を暗号化する機能もあります。

接続先のコンピュータのデスクトップ画面を表示・操作するための規格がVNCです。 まるで接続先のコンピュータの前に座っているかのような感覚で操作することができます。

ただし、通信内容が暗号化されないためセキュリティリスクがあります。 SSHと併用することでVNCの通信も暗号化され、安全に利用することができるようになります。