日本語を入力できる環境を整える

MX Linuxでは、残念ながらインストール直後の状態では日本語を入力することができません。 ここでは、日本語を入力できる環境を整える手順および日本語の入力方法を解説します。

では、最初に必要なパッケージをインストールしましょう。 具体的には日本語用の入力メソッドをインストールします。

前の記事で解説したようにソフトウェアを追加する仕組みはいくつも用意されていますが、今回もMX パッケージインストーラを使います。

1. MX パッケージインストーラを実行
1. MX パッケージインストーラを実行

上図のようにアプリケーションメニューの "MX ツール" からMX パッケージインストーラを実行します。

2. MX パッケージインストーラが開く
2. MX パッケージインストーラが開く

上図のようにMX パッケージインストーラが開き、タブは "通常のアプリ" タブが選択されています。

一覧にはカテゴリ(FTP / Torrent / アイコン / ...)が表示されており、個々のパッケージは隠れているのがわかります。

では、目的のパッケージである日本語用の入力メソッドで絞り込みましょう。 キーワードで検索するのが近道です

3. 検索欄にjapaneseと入力する
3. 検索欄にjapaneseと入力する

上図のように一覧の上にある検索欄に "japanese" と入力します。

4. キーワードを含むパッケージに絞り込まれる
4. キーワードを含むパッケージに絞り込まれる

上図のようにキーワードを含むパッケージのみが表示されます。 なお、各パッケージの概要は以下の通りです。

- 各パッケージの概要 -
Japanese_Firefox Firefoxの日本語パック
※日本語入力とは関係ない
Japanese_Fonts 日本語用フォント
Japanese_Input_fcitx 入力メソッド Fcitx
※利用者が多い
Japanese_Input 入力メソッド IBus
※利用者が多い
Japanese_Input_uim 入力メソッド Uim
※利用者は少ない

上の表の通り、日本語用の入力メソッドは Fcitx / IBus / Uim の3つが用意されています。 Linux Mint編では IBus を利用しましたが、MX Linuxでは Fcitx がオススメです。

5. インストールするパッケージをチェックする
5. インストールするパッケージをチェックする

上図のようにインストールするパッケージ Japanese_Fonts と Japanese_Input_fcitx にチェックを入れます。 チェックを入れたら[インストール]ボタンを押して次へ進みます。

6. 認証
6. 認証

上図のようにパスワードの入力を求められます。 パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。

7. APTキャッシュの更新
7. APTキャッシュの更新

上図のようにAPTキャッシュの更新が開始されます。 何もすることはありません

8. インストールされるパッケージのリスト
8. インストールされるパッケージのリスト

上図のようにインストールされるパッケージのリストが表示されます。 [OK]ボタンを押して継続してください。

9. ダウンロードの開始
9. ダウンロードの開始

上図のようにパッケージのダウンロードが開始されます。

10. 認証
10. 認証

上図のように再びパスワードの入力を求められます。 パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。 パッケージのインストールが開始されます

11. 完了
11. 完了

上図のようにパッケージのインストールが完了したことが表示されます。 [OK]ボタンを押してメッセージを閉じます。

12. MX パッケージインストーラを閉じる
12. MX パッケージインストーラを閉じる

上図のように[閉じる]ボタンを押してMX パッケージインストーラを終了します。

MX パッケージインストーラを終了したら、ここでシステムを再起動してください。


再起動したら、続いて日本語を入力してみましょう。 メモ帳の FeatherPad から入力するのが簡単です。

13. FeatherPadを実行
13. FeatherPadを実行

上図のようにアプリケーションメニューの "アクセサリー" から FeatherPad を実行します。

FeatherPad が起動したらキーボードからYAMADA と打ってください。

14. "yamada"と入力される
14. "yamada"と入力される

上図のようにyamadaと入力されます。 まあ、当然ですよね、日本語入力をオンにしていませんから。

ではここで、半角/全角キーを押してください。

15. Mozcが利用可能になる
15. Mozcが利用可能になる

上図のようにMozcが利用可能になり、入力メソッドのインジケータが "あ" に変化しました。

では再度、キーボードから YAMADA と打ち込んでください。

16. "やまだ"と入力される
16. "やまだ"と入力される

上図のように "やまだ" と入力することができました。

さらに漢字に変換してみましょう。 キーボードのスペースキーを押し、続けてEnterキーを押してください。

17. "山田"と入力することができた
17. "山田"と入力することができた

上図のように "山田" と入力できました。

日本語入力の設定について

日本語入力に関する各種設定は以下の手順で行います。

1. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "Mozc ツール" -> "設定ツール" を実行する
1. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "Mozc ツール" -> "設定ツール" を実行する

上図のように画面左部にあるパネルのキーボードのアイコンをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるメニューの "Mozc ツール" -> "設定ツール" を実行します。

  
 
キーボードのアイコンは入力モードによっては "あ" のアイコンに変化します。
2. Mozc プロパティ画面が開く
2. Mozc プロパティ画面が開く

上図のようにMozc プロパティ画面が開きます。 この画面で日本語入力に関する各種設定を行うことができます。

  

変換エンジンAnthyをアンインストールする手順

この記事では日本語入力環境を整えるため、MX パッケージインストーラの "通常のアプリ" タブから "Japanese_Input_fcitx" をインストールしました。

この方法だと必要な関連パッケージが不足する心配はありません。 ただし、余計なパッケージが入ってしまうという問題もあります

実は今回の "Japanese_Input_fcitx" のインストールでも無駄なものがインストールされています。 キーボード入力を日本語に変換するための "変換エンジン" として "Mozc" と "Anthy" の2つがインストールされているのです

では実際に見てみましょう。

1. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "入力メソッド" を開く
1. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "入力メソッド" を開く

上図のように画面左部にあるパネルのキーボードのアイコンをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるメニューの "入力メソッド" を開いてください。

  
 
キーボードのアイコンは入力モードによっては "あ" のアイコンに変化します。

見ての通り、"Mozc" だけでなく "Anthy" もインストールされています。

  
一覧には "キーボード - 日本語" もありますが、こちらは日本語は入力できません。 日本語キーボードを正しく扱える、というだけです。

"2つの変換エンジンを切り替えて使いたい"、という方はこのままでいいかもしれませんが、ほとんどの方は Mozc だけで十分でしょう。

以下では、もう片方の検索エンジンである "Anthy" を削除する手順を紹介します。

2. MX パッケージインストーラからAnthy関連のパッケージをアンインストール
2. MX パッケージインストーラからAnthy関連のパッケージをアンインストール

上図のようにMX パッケージインストーラを起動して "有効なリポジトリ" タブを選択し、一覧の右上にある検索欄に "anthy" と入力します。

絞り込まれた一覧から以下のパッケージにチェックを入れ、[アンインストール(削除)]ボタンを押してアンインストールします。

anthy 変換エンジン(本体)
anthy-common 変換エンジン(辞書)
fcitx-anthy IMサーバ(Anthy用)
3. 認証
3. 認証

上図のように認証が求められます。 パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押します。

4. 削除されるパッケージの一覧
4. 削除されるパッケージの一覧

上図のように削除されるパッケージの一覧が表示されます。 内容を確認し、[OK]ボタンを押してください。

5. ソフトウェアの削除
5. ソフトウェアの削除

上図のようにソフトウェアの削除が開始されます。 何もすることはありませんので削除の完了を待ちましょう。

6. 削除の完了
6. 削除の完了

上図のように削除が完了すると "完了" ダイアログが表示されます。 [OK]ボタンを押してダイアログを閉じます。

7. MX パッケージインストーラの終了
7. MX パッケージインストーラの終了

上図のように[閉じる]ボタンを押してMX パッケージインストーラを終了しましょう。

ではここで、IMサーバであるFcitxの再起動を行います。

8. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "再起動" を実行する
8. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "再起動" を実行する

上図のように画面左部にあるパネルのキーボードのアイコンをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるメニューの "再起動" を実行します。

では、Fcitxと連動している変換エンジンがどう変化したか見てみましょう。

9. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "入力メソッド" を開く
9. 画面左部のパネルのキーボードのアイコンを右クリックし表示されるメニューの "入力メソッド" を開く

上図のように画面左部にあるパネルのキーボードのアイコンをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるメニューの "入力メソッド" を開いてください。

このように Anthy が消えています。 不要な変換エンジンの Anthy を削除することができました。

  

まとめ

MX Linuxで利用できる日本語用の入力メソッドは Fcitx / IBus / Uim の3つです。 ただし、Uim はあまり利用されていませんので、Fcitx または IBus がオススメです。

- 日本語用の入力メソッド -
Japanese_Input_fcitx 入力メソッド Fcitx
※利用者が多い
Japanese_Input 入力メソッド IBus
※利用者が多い
Japanese_Input_uim 入力メソッド Uim
※利用者は少ない

利用する入力メソッドが決まったら、MX パッケージインストーラの "通常のアプリ" タブからインストールしましょう。

なお、"通常のアプリ" タブからインストールすると、対応する変換エンジンも全てインストールされてしまいます。

利用する変換エンジンだけを残し、不要な変換エンジンは削除しましょう。 削除は、MX パッケージインストーラの "有効なリポジトリ" タブから実施します。