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キーボードおよびマウス・タッチパッドの設定

  

キーボードおよびマウスとタッチパッドの調整

ここまでの記事で、アプリケーションの色々な起動方法、日本語の入力方法およびスクロールバーの挙動について解説してきました。

この記事では、キーボードおよびマウス・タッチパッドの設定について解説します。 キーボードやマウス(タッチパッド)の設定は使いやすさに直結しますので、納得できるまで調整しましょう。

キーボードの調整

まずは、キーボードから設定しましょう。 各種設定画面は、コントロールセンターから呼び出すのが近道です

1. Linux Mintメニューから "コントロールセンター" を実行する
1. Linux Mintメニューから "コントロールセンター" を実行する

上図のようにLinux Mintメニューを開き、"システム" の下にある "コントロールセンター" を実行します。

2. コントロールセンターから "キーボード" を実行する
2. コントロールセンターから "キーボード" を実行する

上図のようにコントロールセンターが開きますので、"キーボード" を実行します。

3. キーボードの設定画面が開く
3. キーボードの設定画面が開く

上図のようにキーボードの設定画面が開きます。 現在選択されている『全般』タブでは、キー入力のリピートおよびカーソルの点滅に関する設定が行えます。

  
キー入力のリピートとは、キーを押しっぱなしにしたときに文字を連続入力する機能のことです。

間隔(D)には、キーを押し下げてからリピートが開始されるまでの時間の長さを設定します。 速度(S)には、一定時間内でのリピート数の回数の多い/少ないを設定します。

  
カーソルの点滅は、テキストエディタなどで表示される文字カーソルの点滅に関する設定を行います。

速度(P)には、一定時間内での文字カーソルの点滅の回数の多い/少ないを設定します。

4. 『レイアウト』タブ
4. 『レイアウト』タブ

上図のように『レイアウト』タブではキーボードレイアウト(キーボード配列)を管理することができます。

インストール時に言語に "日本語" を選択したため "日本語" のレイアウトのみが存在しています。 別のキーボードレイアウトを追加し、切り替えながらキー入力することもできます

  
複数のキーボードレイアウトを登録し、切り替えながらキー入力する手順はこの記事の最後で紹介します。
5. 『アクセシビリティ』タブ
5. 『アクセシビリティ』タブ

上図のように『アクセシビリティ』タブでは、タブ名の通り "アクセシビリティ" つまり、キーボードの使いやすさを設定することができます。

簡単に言えば "入力支援" に関する設定です。 高齢者や体が不自由な方が快適に操作できるようにするための設定項目群があります。

  
詳細は画面左下にある[ヘルプ(H)]ボタンから参照することができます。
6. 『マウスキー』タブ
6. 『マウスキー』タブ

上図のように『マウスキー』タブでは、キーボードでポインタを制御するかどうかを設定することができます。

"キーボードでポインタを制御する(P)" のチェックを入れることで、キーボードのテンキーでマウスポインタを操作できるようになります。

  
マウスポインタの移動だけでなく、マウスの左クリック(マウスの左ボタン)や右クリック(マウスの右ボタン)もテンキーで操作することができます。
キー入力 動作
4(テンキー) ポインタが左へ移動
6(テンキー) ポインタが右へ移動
8(テンキー) ポインタが上へ移動
2(テンキー) ポインタが下へ移動
7(テンキー) ポインタが斜め左上へ移動
9(テンキー) ポインタが斜め右上へ移動
1(テンキー) ポインタが斜め左下へ移動
3(テンキー) ポインタが斜め右下へ移動
5(テンキー) 左クリック(マウスの左ボタン)
SHIFT+5(テンキー) 右クリック(マウスの右ボタン)
7. 『一休み』タブ
7. 『一休み』タブ

上図のように『一休み』タブでは "一休み" なるものを設定することができます。 とてもわかりにくい機能名称です。

一見すると、"一定時間キー入力を休んだ場合に画面をロックする機能" のように思えますがそうではありません。 "離席したときに自動的に画面をロックするためのセキュリティの機能" ではないのです

この機能は、"一定時間続けてキー入力をした場合に強制的に画面をロックする機能" です。 つまり、強制的に休憩させる機能です。 大きなお世話というものです。

マウスとタッチパッドの調整

続いて、マウスとタッチパッドの設定を調整しましょう。 こちらもコントロールセンターから呼び出すのが簡単です

1. コントロールセンターから "マウス" を実行する
1. コントロールセンターから "マウス" を実行する

上図のようにコントロールセンターを開き "マウス" を実行します。

2. マウスの設定画面が開く
2. マウスの設定画面が開く

上図のようにマウスの設定画面が開きます。 現在選択されている『マウス』タブでは、マウスに関する設定を行うことができます。

"マウスの利き手" に "左利き(L)" を選択すると、マウスの左右のボタンが入れ替わります

"コントロールキーを押した際にポインターの位置を通知する(O)" にチェックを入れると、CTRLキーをチョンと押したときにポインタの周囲に強調円が表示されるようになります。 迷子になったマウスポインタを見つけやすくなります

"左と右の同時クリックで中央のボタンを再現する" にチェックを入れると、左ボタン(左ボタン)と右ボタン(右ボタン)の同時押しが中ボタン(中ボタン)として認識されるようになります。

"ミドルマウスペーストを有効化" というのはコピー&ペーストに関する設定です。 チェックを入れると、マウスの中ボタン(マウスの中ボタン)のクリックで貼り付けが行えるようになります(ミドルマウスペーストについては、次の記事で詳細を解説します)。

3. 『タッチパッド』タブ
3. 『タッチパッド』タブ

上図のように『タッチパッド』タブでは、タッチパッドに関する設定を行うことができます。

"タッチパッドを有効化(T)" のチェックを外すと、タッチパッドが機能しなくなります。 指1本でのスライドによるポインタの移動、指2本でのスライドによるスクロール、指1本でのタップによる左クリック、指2本でのタップによる右クリック、指3本でのタップによる中クリック、の全てが使えなくなります。 なお、押し込み可能なタッチパッドである "クリックパッド" であれば、押し込みによる左クリック、右クリック、中クリックだけは使えます

"文字入力中はタッチパッドを無効化(W)" のチェックを入れると、キー入力してから一定時間(0.2秒ほど?)はタッチパッドが反応しなくなります。 キー入力中に手のひらがタッチパッドに触れて発生する誤作動を防止することができます。 なお、クリックパッドの押し込みには反応します

"垂直エッジスクロール(V)" は、タッチパッドの右端での指の上下スライドを垂直スクロール操作として認識するかどうかの設定です。 2本指を検出できるタッチパッドであれば "垂直二本指スクロール(E)" で垂直スクロールすることができますから、チェックは外しておくのがいいでしょう。

水平スクロールについても同様です。 2本指を検出できるタッチパッドなら "水平二本指スクロール(I)" にチェックを入れ、"水平エッジスクロール(O)" はチェックを外しておきましょう。

  

複数のキーボードレイアウトを切り替えながらキー入力するための手順

最後に、複数のキーボードレイアウトを登録し、切り替えながらキー入力する手順について解説します。

なお、以下の例では日本語キーボードレイアウト / 英語キーボードレイアウトを切り替えることを想定しています。

1. [+追加(A)...]ボタンを押す
1. [+追加(A)...]ボタンを押す

上図のようにキーボードの設定画面の『レイアウト』タブにある[+追加(A)...]ボタンを押します。

2. 米国 / 英語(US)を選択
2. 米国 / 英語(US)を選択

上図のようにレイアウトの選択画面が開きますので、国(C)に "米国" を 系列(V)に "英語(US)" を選択し、[追加(A)]ボタンを押します。

3. 英語(US)が追加される
3. 英語(US)が追加される

上図のように英語(US)が追加されたことを確認し、画面右上の[X]ボタンを押して画面を閉じます。

2つ目のキーボードレイアウトを追加しましたが、何か変化が起きたでしょうか。 ではここで、画面下部のパネルに注目してください

4. 画面下部のパネルに新たなインジケータが追加されている
4. 画面下部のパネルに新たなインジケータが追加されている

上図のように画面下部のパネルに新たなインジケータが追加されています。 入力メソッドのインジケータ "あ" の横に "ja" が増えています。 これが、キーボードレイアウトの状態を示すインジケータです

今まではキーボードレイアウトが1つだけだったので、インジケータは表示されていませんでした。 キーボードレイアウトが複数になると、このように自動的にキーボードレイアウトのインジケータが表示されます。

では、キーボードレイアウトを日本語から英語(US)に切り替えましょう。

5. インジケータからキーボードレイアウトを切り替える
5. インジケータからキーボードレイアウトを切り替える

上図のようにキーボードレイアウトのインジケータをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

6. キーボードレイアウトのインジケータが "en" に変わる
6. キーボードレイアウトのインジケータが "en" に変わる

上図のようにキーボードレイアウトのインジケータが "en" に変化します。 キーボードレイアウトが "英語(US)" に切り替わったことを示しています。

  
キーボードレイアウトが "英語(US)" になっていても日本語を入力することはできます。 Windowsの場合は、キーボードを英語レイアウトに切り替えると半角/全角キーや無変換キー・変換キーなどは使えなくなります。 しかし、Linux系OSではそんなことはありません。 英語レイアウトでも、今までの通りに半角/全角キーや変換キーで日本語の入力を開始することができます。
  
Windowsで日本語キーボードを英語レイアウトで使う場合(変換キーなども使いたい場合)はULE4JISを導入するのがいいでしょう。
  

まとめ

キーボードやマウスおよびタッチパッドの設定画面はコントロールセンターから呼び出すのが手っ取り早いです。

キーボードレイアウトは複数登録することができます。 キーボードレイアウトを複数登録した場合は、画面下部のパネルに表示されるインジケータからキーボードレイアウトを切り替えることができます。

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