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日本語の入力方法を知る

  

日本語の入力と設定の変更

この記事では、日本語の入力方法について解説しています。 まずは初期設定のままで日本語を入力する手順を解説し、次に使いやすく設定を変更する手順を解説します。

なお、Linux系OSでは、キーボードからの入力を担当する機能を "入力メソッド(またはインプットメソッド)" と呼びます。

Windowsの入力方式を見てみよう

いきなり脱線しますが、まずはWindowsでの入力メソッドの設定を見てみましょう。 なお、Windowsでは "入力メソッド" ではなく "入力方式" と呼ばれます。

1. スタートメニューから設定を実行する
1. スタートメニューから設定を実行する

上図のようにスタートメニューから "設定" を実行します。

2. 時刻と言語を選択
2. 時刻と言語を選択

上図のように設定画面が表示されますので、カテゴリから "時刻と言語" を選択します。

3. 言語 -> 日本語を選択
3. 言語 -> 日本語を選択

上図のように画面が切り替わりますので、左の列から "言語" を選択し、さらに "日本語" を選択します。

4. [オプション]ボタンを押す
4. [オプション]ボタンを押す

上図のように[オプション]ボタンが現れますので、このボタンを押します。

5. キーボードには Microsoft IMEのみ
5. キーボードには Microsoft IMEのみ

上図のようにオプション画面に切り替わります。 "キーボード" の下には "Microsoft IME" のみが表示されているのがわかります。

見出しは "キーボード" になっていますが、ここに表示されているのが入力方式の一覧です。 つまり、現時点では入力方式は、Microsoft IME のみということです。

  
セットアップ直後のWindowsでは、入力方式は Microsoft IME のみです。

では次に、2つ目の入力方式を追加してみましょう。 ここでは、Google日本語入力を追加するものとします。

  
Google日本語入力はすでにインストールされているものとします。
6. [+]キーボードの追加を実行
6. [+]キーボードの追加を実行

上図のように "[+]キーボードの追加" を実行します。

7. Google日本語入力を選択
7. Google日本語入力を選択

上図のように入力方式の一覧が表示されますので "Google日本語入力" を選択します。

8. Google日本語入力が追加される
8. Google日本語入力が追加される

上図のようにGoogle日本語入力が追加されます。 これで、入力方式が2つになりました


入力方式が2つになったことで、どのような変化があるのでしょうか。 まずは、ログオン画面を見てみましょう。 一度、サインアウトします

9. ログオン画面で入力方式を選択できるようになっている
9. ログオン画面で入力方式を選択できるようになっている

上図のようにログオン画面で入力方式を選択できるようになっています。 なお、キーボードのWindowsキー(Windowsキー) +スペースキーでも入力方式を切り替えることができます。

では、再びログオンしましょう。

10. ログオン後にタスクバーから入力方式を切り替えることもできる
10. ログオン後にタスクバーから入力方式を切り替えることもできる

上図のようにログオン後でもタスクバーから入力方式を切り替えることができます。 こちらも、Windowsキー(Windowsキー) +スペースキーで入力方式を切り替えることができます。

  

Linux Mintでの日本語の入力を学ぶ

それでは本題に戻りましょう。 インストールしたLinux Mintでの日本語入力の流れを見てみましょう。

  
Linux Mintでは、インストール時に言語に "日本語" を選択していれば、この時点で日本語を入力できる状態になっています。

では、日本語を入力してみましょう。 お好きな方法でテキストエディタを立ち上げてください

1. 新規ドキュメントが開かれる
1. 新規ドキュメントが開かれる

上図のようにテキストエディタが起動し、新規ドキュメントが開かれます。 ではここで、画面下部のパネルの右側に注目してください。

2. "JA" というインジケータがある
2. "JA" というインジケータがある

上図のように "JA" と描かれたインジケータがあります。 みなさんの予想通り、これは "Japanese" の略です。 現在選択されている入力メソッドがここに表示されます

ではここで、"やまだ" と入力してみましょう。

3. キーボードから Y A M A D A と打ち込む
3. キーボードから Y A M A D A と打ち込む

上図のようにキーボードから YAMADA と打ってください。

4. "yamada"と入力される
4. "yamada"と入力される

上図のように "yamada" と入力されます。 どういうわけか、ひらがなの "やまだ" にはなりませんでした。 パネルのインジケータは "JA" になっているのに、です。

結論から言うと、現状、このLinux Mintには2つの入力メソッドが存在しています。 その2つの入力メソッドというのが、

  1. 日本語 - 日本語
  2. 日本語 - Mozc

の2つです。 そして現在選択されているのは、

  1. 日本語 - 日本語

ですが、この入力メソッドでは日本語は入力できません

大切なことなのでもう一度書きますが、入力メソッド "日本語 - 日本語" では、日本語入力することはできません


"日本語 - 日本語" という名称の入力メソッドなのに、どうして日本語が入力できないんだよ、とみなさん思ったことでしょう。

実は、ここでいう日本語とは、"日本語キーボードを正しく扱える" という意味なのです。

ひらがな・カタカナ・漢字を入力するには、もう1つの入力メソッドである、

  1. 日本語 - Mozc

に切り替える必要があります。 入力メソッドの切り替えは、Windowsと同じくキーボードのWindowsキー(Windowsキー) +スペースキーです。

5. Windowsキー + スペースキーを押す
5. Windowsキー + スペースキーを押す

上図のようにキーボードのWindowsキー(Windowsキー)を押したまま、スペースキーをチョンと押しましょう。

6. 入力メソッドは切り替わらない
6. 入力メソッドは切り替わらない

上図のように入力メソッドのインジケータは "JA" のままです。 つまり、入力メソッドは "日本語 - Mozc" には切り替わっていないということです

入力メソッドが切り替わらない原因はわかりません。 入力メソッドの管理をしているのは IBus と呼ばれるソフトウェアなのですが、おそらく IBus がWindowsキー(Windowsキー) +スペースキーを受け取っていないと思われます。

  
なぜ、Windowsキー(Windowsキー) +スペースキーが IBus に渡らないのかはわかりません。

でも大丈夫です。 パネルのインジケータから切り替えることができますから

7. インジケータから入力メソッドを切り替える
7. インジケータから入力メソッドを切り替える

上図のように入力メソッドのインジケータをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックし、表示されるメニューから "日本語 - Mozc" を実行します。

8. 入力メソッドのインジケータが "A" に変わる
8. 入力メソッドのインジケータが "A" に変わる

上図のように入力メソッドのインジケータが "A" に変化します。 では再び、キーボードから YAMADA と打ち込んでみてください。

9. "yamada"と入力される
9. "yamada"と入力される

上図のように今回も "yamada" と入力されました。 まあ、予想通りでしたよね、インジケータが "A" でしたから。 入力メソッドは、

  1. 日本語 - Mozc

にちゃんと切り替わっているのですが、入力モードが直接入力モードになっているのです

ではここで、半角/全角キーを押してください。

10. 入力メソッドのインジケータが "あ" に変わる
10. 入力メソッドのインジケータが "あ" に変わる

上図のように入力メソッドのインジケータが "あ" に変化しました。 今回はなんだけイケそうな予感がします。

では、三度目の正直を信じてキーボードから YAMADA と打ち込んでみてください。

11. "やまだ"と入力される
11. "やまだ"と入力される

上図のように "やまだ" と入力されました。 やったぁ、やりました。 ひらがなを入力することができました。

では、漢字に変換してみましょう。 キーボードのスペースキーを押してください。

12. 漢字変換もできている
12. 漢字変換もできている

上図のように漢字変換することもできています。 では、キーボードのEnterキーを押して確定しましょう。

13. 漢字変換が確定される
13. 漢字変換が確定される

上図のように漢字変換が確定されます。 無事に漢字を入力することができました。

ではここで、再度半角/全角キーを押してみましょう。

14. 入力メソッドのインジケータが "A" に戻る
14. 入力メソッドのインジケータが "A" に戻る

上図のように入力メソッドのインジケータが "A" に戻ります。 入力モードが直接入力モードに戻ったということです。

では、キーボードから YAMADA と打ち込んでみましょう。

15. "yamada"と入力される
15. "yamada"と入力される

上図のように予想通りの "yamada" が入力されました。


ではここで、一休みして状況を整理しておきましょう。 現状では、

  1. 日本語 - 日本語
  2. 日本語 - Mozc

の2つの入力メソッドが登録されていることがわかりました。 入力メソッドの切り替えはキーボードのWindowsキー(Windowsキー) +スペースキーで行えるはずですが、なぜか動作しません。 そのため、インジケータのクリックで切り替える必要があることもわかりました。

また、パネルにある入力メソッドのインジケータの表示と、入力メソッドの状態の関係は以下の通りだということもわかりました。

インジケータ 入力メソッド ・ひらがな
・カタカナ
・漢字
の入力
JA 日本語 - 日本語
A 日本語 - Mozc
(直接入力モード)
日本語 - Mozc
(変換入力モード)

上の表を眺めるとわかる通り、"JA" と "A" は役割が重複しています。 どちらも、半角英数字を入力するために利用することになりそうです。

つまり、入力メソッド "日本語 - 日本語" は不要だということがわかります。 入力メソッド "日本語 - 日本語" を削除して、入力メソッドは "日本語 - Mozc" だけにしましょう。

そうすれば、入力メソッドの切り替えは不要になります。 入力メソッドは "日本語 - Mozc" で固定し、半角/全角キーで直接入力モードと変換入力モードを切り替えればいいことです。

それなら、Windowsキー(Windowsキー) +スペースキーが機能しないことも問題ではなくなります。


では、入力メソッド "日本語 - 日本語" を削除しましょう。 先ほど説明したように、入力メソッドの管理をしているのは IBus と呼ばれるソフトウェアです。 IBus の設定画面を開いて作業を行う必要があります。

16. IBus の設定画面を開く
16. IBus の設定画面を開く

上図のように入力メソッドのインジケータをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるメニューから "設定" を実行します。

  
右クリックです。
17. IBus の設定画面が開く
17. IBus の設定画面が開く

上図のようにIBus の設定画面が開きます。 見ての通り、"キーボードショートカット" の "次の入力メソッド" に、<Super>space が設定されています。

  
Linux系OSでは、Windowsキー(Windowsキー)はSuperキーと表現されます。

このように、Windowsキー(Windowsキー) +スペースキーで入力メソッドが切り替わる設定にはなっているのですが、悲しいことに切り替わりません。

ちょっと話題が逸れてしまいました。 本来の作業である、

  1. 入力メソッド "日本語 - 日本語" の削除

に戻りましょう。

18. 『入力メソッド』タブに切り替える
18. 『入力メソッド』タブに切り替える

上図のように画面上部にある『入力メソッド』タブをクリックします。

19. 『入力メソッド』タブに切り替わる
19. 『入力メソッド』タブに切り替わる

上図のように『入力メソッド』タブに切り替わります。 一覧には、現在登録されている、

  1. 日本語 - 日本語
  2. 日本語 - Mozc

の2つの入力メソッドが表示されています。 では、入力メソッド "日本語 - 日本語" を削除しましょう。

20. 入力メソッド "日本語 - 日本語" を削除する
20. 入力メソッド "日本語 - 日本語" を削除する

上図のように一覧から "日本語 - 日本語" を選択し、[削除(R)]ボタンを押します。

21. 入力メソッド "日本語 - 日本語" が削除される
21. 入力メソッド "日本語 - 日本語" が削除される

上図のように一覧から "日本語 - 日本語" が削除されます。 これで、入力メソッドは "日本語 - Mozc" だけになりました。 右上の[X]ボタンを押して設定画面を閉じましょう。

では試しに、直接入力モード(半角英数字)・変換入力モード(ひらがな / カタカナ / 漢字)を切り替えながら入力してみてください。 半角/全角キーを押すだけで、直接入力モード("A")と変換入力モード("あ")が交互に切り替わるはずです。

つまり、Windowsキー(Windowsキー) +スペースキーが機能しないことも問題ではなくなりました。


日本語入力の設定の仕上げとして、Mozcの設定を行いましょう。

22. Mozcのプロパティ画面を開く
22. Mozcのプロパティ画面を開く

上図のように入力メソッドのインジケータをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックし、表示されるメニューから "ツール" -> "プロパティ" を実行します。

  
左クリックです。
23. Mozcのプロパティ画面が開く
23. Mozcのプロパティ画面が開く

上図のようにMozcのプロパティ画面が開きます。 Google日本語入力の設定画面に似ていることがわかります。

  
Mozc(もずく) もずく Mozc(もずく) は、Google日本語入力のオープンソース版です。 Google日本語入力との違いは、Googleがインターネットで収集した変換辞書が含まれないことです。
24. Mozcの設定を変更する
24. Mozcの設定を変更する

上図のようにMozcの設定を必要に応じて変更しましょう。 上の例では、入力モードが 直接入力モード・変換入力モード のどちらの場合でも空白は半角文字で入力されるように設定しています。 また、各種キー設定を ATOK に合わせています。

これで、日本語入力の設定を終えることができました。 Mozcのプロパティ画面はもう不要ですので、閉じておきましょう。

25. Mozcのプロパティ画面を閉じる
25. Mozcのプロパティ画面を閉じる

上図のように[OK]ボタンを押してMozcのプロパティ画面を閉じます。


では、テキストエディタに戻りましょう。 最後に、テキストエディタを例に説明しておきたい重要なことがあります。

26. テキストエディタも閉じる
26. テキストエディタも閉じる

上図のように編集済み未保存の状態で、テキストエディタの[X]ボタンを押します。

27. 保存するかどうかを聞かれる
27. 保存するかどうかを聞かれる

上図のように "未保存のドキュメントを保存するかどうか" を聞かれます。 保存する必要はありませんので [保存せずに閉じる(W)] を選べばいいのですが、マウスでクリックしては面白くありません。 キーボードのショートカットキーで選んでみましょう。

Linux系OSでは、メニュー項目やボタンのショートカットキーはALTキーを同時に押す必要があります。 "保存せずに閉じる(W)" という表記であれば、ALT+W を押さなくてはなりません。

キーボードのWを押しただけでは反応しません

  
メニューの "ファイル(F)" もALT+Fを押すことで開くことができます。
  

まとめ

キーボードからの入力を受け持っている機能が "入力メソッド" です。 Windowsでは "入力方式" と呼ばれますが、Linux系OSでは "入力メソッド" と呼ばれます。

言語に "日本語" を選んでインストールしたLinux Mintでは、

  1. 日本語 - 日本語
  2. 日本語 - Mozc

の2つの入力メソッドが登録されていますが、日本語入力できるのは "日本語 - Mozc" だけです。

入力メソッドの切り替えは、Windowsと同じくキーボードのWindowsキー(Windowsキー) +スペースキーですが、なぜか機能しません。 機能しませんが入力メソッド "日本語 - 日本語" は削除するので問題はありません。

入力メソッドの管理をしているのは IBus と呼ばれるソフトウェアです。 入力メソッドの追加や削除は、IBus の設定画面から行いましょう。

Linux系OSでは、メニュー項目やボタンのショートカットキーはALTキーを同時に押さなくてはなりません。 例えば、[保存(S)]ボタンはALT+Sを押すことで実行することができます。

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