Linux Mintをアップデートして最新の状態に保つ

前の記事では、Linux Mint 21.3 MATE Editionのインストールおよび初回起動を行いました。 この記事では、インストールしたLinux Mintのアップデートを実施します。

システムを最新の状態に保つことで、不具合やセキュリティ上の問題を回避しやすくなります。

  
Linux Mint 21.3 のサポートが終了するのは2027年04月です。

それではシステムのアップデートを実施しましょう。

1. 盾のインジケータをクリック
1. 盾のインジケータをクリック

上図のように画面下部のパネルの右側にある "盾" のインジケータをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

  
インジケータの右下に描かれているは、アップデートが必要なことを表しています。
2. アップデートマネージャが起動する
2. アップデートマネージャが起動する

上図のようにアップデートマネージャが起動します。 内容を確認し、[OK]ボタンを押しましょう。

3. ローカルミラーへの切り替えの選択
3. ローカルミラーへの切り替えの選択

上図のように "近くのローカルミラーに切り替えますか?" と聞かれます。 ファイルをダウンロードするための接続先(ソフトウェアソースと呼ばれる)を、近い場所にあるサーバに切り替えるかどうかを尋ねています。

近い方がアップデートが早く終わりますので、[はい]を押しましょう。

4. 認証
4. 認証

上図のようにパスワードの入力を求められます。 ソフトウェアソースの切り替えはシステム管理作業であるため、パスワードが求められているというわけです。

ここで入力するのは、インストール時に『あなたの情報を入力してください』という画面で入力したパスワードです。 つまり、ログイン時に入力したパスワードです

パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。

ユーザの種類と権限について


Windowsでは、システム管理作業を行う場合には管理者ユーザのパスワードを求められます。 一方、Linux Mint や MX Linux(他の多くのLinux系OSも)では、ログインしているユーザのパスワードが求められます。

Windowsでは、ユーザには管理者ユーザと標準ユーザの2種類があります。 標準ユーザでシステム管理作業を行おうとすると管理者ユーザのパスワードを求められます。

Linux Mint や MX Linuxの場合も管理者ユーザと標準ユーザに分かれるのは同じですが、標準ユーザはさらに2種類に分類できます。 自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業の権限を持てるユーザと持てないユーザです。

現在ログインしているユーザは、インストール時に作成された標準ユーザです。 このユーザは、自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業を行えます。

インストール時に作成された標準ユーザは、強制的にそのような設定になります

UNIX系OSの管理者ユーザのユーザIDは root で固定されている


標準ユーザのユーザIDは "taro" のように利用者が自由に決定することができます。 一方、管理者ユーザのユーザIDは "root" で固定されています。

多くのLinux系OSでは管理者ユーザではログインしない


多くのLinux系OSでは、管理者ユーザ(root)でログインする必要はありません。 というよりも、そもそも管理者ユーザではログインできないようになっていることが多いです。 では、システム管理作業を行う場合にはどうすればいいのでしょうか。

今回のように "自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業の権限を持てるユーザ" でログインすれば大丈夫です。

作業内容がシステム管理作業であれば、自動的に認証画面が表示されます。 表示された認証画面で自分自身のパスワードを入力することで、システム管理作業の権限が与えられます。


5. ソフトウェアソース
5. ソフトウェアソース

上図のようにソフトウェアソース画面が表示されますので、"メイン (virginia)" の入力欄をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

6. サーバの選択画面と速度計測
6. サーバの選択画面と速度計測

上図のようにサーバを選択するための画面が表示されます。 サーバとの通信速度が計測されますので、しばらく待ちましょう

7. サーバを選択する
7. サーバを選択する

上図のように速度に優れたサーバを選択し、[適用]ボタンを押して画面を閉じます。 なお、一覧は速度順に並んでいますので、日本国内のサーバかつ最も上位のものを選択するのがいいでしょう。

8. ベース (jammy)のソフトウェアソースも設定
8. ベース (jammy)のソフトウェアソースも設定

上図のように "ベース (jammy)" のソフトウェアソースにも近くのサーバを選択します。 手順は "メイン (virginia)" と同じです。

9. APTキャッシュの更新の開始
9. APTキャッシュの更新の開始

上図のように画面下部ではAPTキャッシュを更新するかどうかを聞かれています。 更新しますので、[OK]ボタンを押しましょう。

  
"APT" は "Advanced Packaging Tool" の略で、簡単に言えば "統合型パッケージ管理システム" のことです。 ソフトウェアソースを変更したため、新しく設定したソフトウェアソースからパッケージの情報を取得しようとしています。
10. APTキャッシュの更新の実行
10. APTキャッシュの更新の実行

上図のように新たに画面が開き、APTキャッシュの更新が始まります。 新しく設定したソフトウェアソースからパッケージの情報がダウンロードされています。

ダウンロードが完了するとこの画面は自動的に閉じますので、何もせず待ちましょう

11. ソフトウェアソース画面を閉じる
11. ソフトウェアソース画面を閉じる

上図のように右上の[X]ボタンを押してソフトウェアソース画面を閉じましょう。

12. アップデートマネージャ自身の更新
12. アップデートマネージャ自身の更新

上図のように "アップデートマネージャ自体が更新されている" という旨のメッセージが表示されています。 各種ソフトウェアのアップデートの前に、アップデートマネージャ(この画面そのもの)自身を更新しなくてはならない、という意味です。

[アップデートを適用]ボタンを押してアップデートマネージャを更新しましょう。

13. 認証
13. 認証

上図のように再度パスワードの入力を求められます。 アップデートマネージャの更新はシステム管理作業であるためです。

パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。

14. アップデートマネージャのダウンロード
14. アップデートマネージャのダウンロード

上図のようにアップデートマネージャのダウンロードが行われます。 何も入力や選択するものはありません。

15. アップデートマネージャのインストール
15. アップデートマネージャのインストール

上図のようにダウンロードされたアップデートマネージャのインストールが行われます。 ここでも、何も入力や選択するものはありません。

16. 許可がありませんエラー
16. 許可がありませんエラー

上図のようにエラーが報告されますが、とりあえず問題はありません。 1文字目が "W" となっていますが、これは "Warning" の略であり、つまり警告です。 [閉じる(C)]ボタンを押してメッセージを閉じましょう。

  
これは8年ほど前から報告されている不具合です。 深刻な問題ではありませんので、気にせずに進めてください。
17. アップデート可能なソフトウェアの一覧
17. アップデート可能なソフトウェアの一覧

上図のようにアップデート可能なソフトウェアの一覧が表示されます。 一覧の上にある[アップデートをインストール]ボタンを押してください。

18. 追加パッケージの確認
18. 追加パッケージの確認

上図のように新たに追加されるパッケージの一覧が表示されます。 この一覧に表示されるのは、バージョンアップではなく新規インストールされるモノです。

つまり、『バージョンアップするだけでなく、新規に追加されるソフトウェアもあるけど、いいのかい』と聞かれているわけです。

問題ありませんので、[OK]ボタンを押してアップデートを続けましょう。

19. 認証
19. 認証

上図のようにまたもパスワードの入力を求められます。 ソフトウェアの更新はシステム管理作業であるためです。

パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。

20. 各種ソフトウェアのダウンロード
20. 各種ソフトウェアのダウンロード

上図のように各種ソフトウェアのダウンロードが行われます。 何も入力や選択するものはありません。

21. 各種ソフトウェアのインストール
21. 各種ソフトウェアのインストール

上図のようにダウンロードされた各種ソフトウェアのインストールが行われます。 ここでも、何も入力や選択するものはありません。

22. 許可がありませんエラー
22. 許可がありませんエラー

上図のように先ほどと同じエラーが報告されます。 [閉じる(C)]ボタンを押してメッセージを閉じましょう。

23. アップデートの完了
23. アップデートの完了

上図のようにアップデートが完了すると "システムは最新です" と表示されます。 画面上部のメッセージに表示されている通り、アップデートを反映させるにはPCの再起動が必要です。 画面右上の[X]ボタンを押してアップデートマネージャを終了します。

24. Linux Mintメニューボタンを押す
24. Linux Mintメニューボタンを押す

上図のように画面下部のパネルの左端にある[Linux Mintメニュー]ボタンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

  
キーボードのWindowsキー(Windowsキー)をチョンと押すことでもLinux Mintメニューを開くことができます。
25. Linux Mintメニューが開く
25. Linux Mintメニューが開く

上図のようにLinux Mintメニューが開きますので、"システム" の下にある "終了" を実行します。

26. 終了方法の選択
26. 終了方法の選択

上図のように終了方法を聞かれます。 今回は再起動しますので、[再起動(R)]ボタンを押します。

PCが再起動され、最新状態のLinux Mintを利用できるようになります。

  
  

まとめ

画面下部のパネルにある "盾" のインジケータからアップデートマネージャを起動することができます。 盾の右下に が描かれていればアップデートが必要なことを意味しています。

都度アップデートしてシステムを最新の状態に保つことで、不具合やセキュリティ上の問題を回避しやすくなります。

Linux Mintのユーザは、管理者ユーザと標準ユーザに分かれます。 標準ユーザはさらに2種類に分類することができ、自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業の権限を持てるユーザと持てないユーザがあります。

インストール時に作成されたユーザは、自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業を行えるユーザです。