Linux Mintをアップデートして最新の状態に保つ
前の記事では、Linux Mint 21.3 MATE Editionのインストールおよび初回起動を行いました。 この記事では、インストールしたLinux Mintのアップデートを実施します。
システムを最新の状態に保つことで、不具合やセキュリティ上の問題を回避しやすくなります。
それではシステムのアップデートを実施しましょう。

上図のように画面下部のパネルの右側にある "盾" のインジケータをマウスの左ボタン(
)でクリックします。

上図のようにアップデートマネージャが起動します。 内容を確認し、[OK]ボタンを押しましょう。

上図のように "近くのローカルミラーに切り替えますか?" と聞かれます。 ファイルをダウンロードするための接続先(ソフトウェアソースと呼ばれる)を、近い場所にあるサーバに切り替えるかどうかを尋ねています。
近い方がアップデートが早く終わりますので、[はい]を押しましょう。

上図のようにパスワードの入力を求められます。 ソフトウェアソースの切り替えはシステム管理作業であるため、パスワードが求められているというわけです。
ここで入力するのは、インストール時に『あなたの情報を入力してください』という画面で入力したパスワードです。 つまり、ログイン時に入力したパスワードです。
パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。
ユーザの種類と権限について
Windowsでは、システム管理作業を行う場合には管理者ユーザのパスワードを求められます。 一方、Linux Mint や MX Linux(他の多くのLinux系OSも)では、ログインしているユーザのパスワードが求められます。
Windowsでは、ユーザには管理者ユーザと標準ユーザの2種類があります。 標準ユーザでシステム管理作業を行おうとすると管理者ユーザのパスワードを求められます。
Linux Mint や MX Linuxの場合も管理者ユーザと標準ユーザに分かれるのは同じですが、標準ユーザはさらに2種類に分類できます。 自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業の権限を持てるユーザと持てないユーザです。
現在ログインしているユーザは、インストール時に作成された標準ユーザです。 このユーザは、自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業を行えます。
インストール時に作成された標準ユーザは、強制的にそのような設定になります。
UNIX系OSの管理者ユーザのユーザIDは root で固定されている
標準ユーザのユーザIDは "taro" のように利用者が自由に決定することができます。 一方、管理者ユーザのユーザIDは "root" で固定されています。
多くのLinux系OSでは管理者ユーザではログインしない
多くのLinux系OSでは、管理者ユーザ(root)でログインする必要はありません。 というよりも、そもそも管理者ユーザではログインできないようになっていることが多いです。 では、システム管理作業を行う場合にはどうすればいいのでしょうか。
今回のように "自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業の権限を持てるユーザ" でログインすれば大丈夫です。
作業内容がシステム管理作業であれば、自動的に認証画面が表示されます。 表示された認証画面で自分自身のパスワードを入力することで、システム管理作業の権限が与えられます。

上図のようにソフトウェアソース画面が表示されますので、"メイン (virginia)" の入力欄をマウスの左ボタン(
)でクリックします。

上図のようにサーバを選択するための画面が表示されます。 サーバとの通信速度が計測されますので、しばらく待ちましょう。

上図のように速度に優れたサーバを選択し、[適用]ボタンを押して画面を閉じます。 なお、一覧は速度順に並んでいますので、日本国内のサーバかつ最も上位のものを選択するのがいいでしょう。

上図のように "ベース (jammy)" のソフトウェアソースにも近くのサーバを選択します。 手順は "メイン (virginia)" と同じです。

上図のように画面下部ではAPTキャッシュを更新するかどうかを聞かれています。 更新しますので、[OK]ボタンを押しましょう。

上図のように新たに画面が開き、APTキャッシュの更新が始まります。 新しく設定したソフトウェアソースからパッケージの情報がダウンロードされています。
ダウンロードが完了するとこの画面は自動的に閉じますので、何もせず待ちましょう。

上図のように右上の[X]ボタンを押してソフトウェアソース画面を閉じましょう。

上図のように "アップデートマネージャ自体が更新されている" という旨のメッセージが表示されています。 各種ソフトウェアのアップデートの前に、アップデートマネージャ(この画面そのもの)自身を更新しなくてはならない、という意味です。
[アップデートを適用]ボタンを押してアップデートマネージャを更新しましょう。

上図のように再度パスワードの入力を求められます。 アップデートマネージャの更新はシステム管理作業であるためです。
パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。

上図のようにアップデートマネージャのダウンロードが行われます。 何も入力や選択するものはありません。

上図のようにダウンロードされたアップデートマネージャのインストールが行われます。 ここでも、何も入力や選択するものはありません。

上図のようにエラーが報告されますが、とりあえず問題はありません。 1文字目が "W" となっていますが、これは "Warning" の略であり、つまり警告です。 [閉じる(C)]ボタンを押してメッセージを閉じましょう。

上図のようにアップデート可能なソフトウェアの一覧が表示されます。 一覧の上にある[アップデートをインストール]ボタンを押してください。

上図のように新たに追加されるパッケージの一覧が表示されます。 この一覧に表示されるのは、バージョンアップではなく新規インストールされるモノです。
つまり、『バージョンアップするだけでなく、新規に追加されるソフトウェアもあるけど、いいのかい』と聞かれているわけです。
問題ありませんので、[OK]ボタンを押してアップデートを続けましょう。

上図のようにまたもパスワードの入力を求められます。 ソフトウェアの更新はシステム管理作業であるためです。
パスワード(P)にパスワードを入力し、[認証する(A)]ボタンを押してください。

上図のように各種ソフトウェアのダウンロードが行われます。 何も入力や選択するものはありません。

上図のようにダウンロードされた各種ソフトウェアのインストールが行われます。 ここでも、何も入力や選択するものはありません。

上図のように先ほどと同じエラーが報告されます。 [閉じる(C)]ボタンを押してメッセージを閉じましょう。

上図のようにアップデートが完了すると "システムは最新です" と表示されます。 画面上部のメッセージに表示されている通り、アップデートを反映させるにはPCの再起動が必要です。 画面右上の[X]ボタンを押してアップデートマネージャを終了します。

上図のように画面下部のパネルの左端にある[Linux Mintメニュー]ボタンをマウスの左ボタン(
)でクリックします。
)をチョンと押すことでもLinux Mintメニューを開くことができます。

上図のようにLinux Mintメニューが開きますので、"システム" の下にある "終了" を実行します。

上図のように終了方法を聞かれます。 今回は再起動しますので、[再起動(R)]ボタンを押します。
PCが再起動され、最新状態のLinux Mintを利用できるようになります。
まとめ
画面下部のパネルにある "盾" のインジケータからアップデートマネージャを起動することができます。 盾の右下に ● が描かれていればアップデートが必要なことを意味しています。
都度アップデートしてシステムを最新の状態に保つことで、不具合やセキュリティ上の問題を回避しやすくなります。
Linux Mintのユーザは、管理者ユーザと標準ユーザに分かれます。 標準ユーザはさらに2種類に分類することができ、自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業の権限を持てるユーザと持てないユーザがあります。
インストール時に作成されたユーザは、自分自身のパスワードを入力することでシステム管理作業を行えるユーザです。





