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ワークスペース(仮想デスクトップ)を活用して作業効率アップ

  

ワークスペースと呼ばれる仮想的なデスクトップを利用してみよう

Linux系OS(というよりUNIX系OS)のデスクトップ環境には、"ワークスペース" と呼ばれる機能が搭載されていることがほとんどです。 インストールしたLinux Mintにも、もちろん搭載されています。

"ワークスペース" とは、仮想的なデスクトップのことです。 ワークスペースを利用することでデスクトップを複数持つことができ、それらを切り替えながら作業することができます。

  
Windowsでは "仮想デスクトップ" と呼ばれる機能です。 Windows 10から搭載されました。
  
Linux系OS(というよりUNIX系OS)の利用者のWindowsへの大きな不満の1つが、ワークスペースの機能が搭載されていないことでした。 Windows 10からは仮想デスクトップの機能が搭載されたので、作業効率が少し高まりました。

ワークスペースでどんなことができるのか

例えば、ワークスペース1ではワープロで文書を編集し、ワークスペース2ではウェブブラウザでウェブを閲覧し、ワークスペース3では画像ビューアで写真を閲覧する、というような使い分けができます。

ワークスペース1でワープロを利用中は、ワークスペース2のウェブブラウザおよびワークスペース3の画像ビューアは表示されません。 そのため、複数のウィンドウが並んで煩雑になる心配はありません。

ワークスペース2に切り替えると、それまで表示されていたワープロは非表示となります。 そして、新たにウェブブラウザが表示されます。 なお、画像ビューアは隠れたままです。 つまり、ウェブブラウザだけが表示されている状態になります

ワークスペース3についても同様です。 ワークスペース3に切り替えると、画像ビューアだけが表示されている状態になります。

Linux Mintのワークスペースを利用してみよう

では、実際にワークスペースを利用してみましょう。 Linux Mintでは、初期設定でワークスペースは有効になっています

1. テキストエディタを起動する
1. テキストエディタを起動する

上図のようにテキストエディタを起動します。 なお、今はワークスペース1が表示されています。

  
起動直後はワークスペース1が表示されている状態になります。

ではここで、ワークスペース2に切り替えてみましょう。 まず、キーボードのCTRLキーとALTキーを押し下げます。 CTRLキーとALTキーは押し下げたまま、カーソルキーの右()をチョンと押してください。

2. 画面中央にパネルが表示される
2. 画面中央にパネルが表示される

上図のように画面中央にパネルが表示され、テキストエディタは見当たらなくなりました。 画面中央のパネルには合わせて4つの枠があり、左から2番目の枠が白線で囲まれています。 また、パネルの下部には "ワークスペース 2" と表示されています。

このパネルはワークスペースの情報を表示するためのものです。 4つの枠はそれぞれワークスペースを表しており、全部で4つのワークスペースがあることがわかります。

また、左から2番目の枠が白線で囲まれていることから、ワークスペース2が選択されていることもわかります。 パネルの下部に "ワークスペース 2" と表示されていることからも確認できます。

なお、左端の枠の中に描かれている白線は、ワークスペース1で実行中のテキストエディタのウィンドウを表しています。 中央にあるのがテキストエディタのアイコンです。

では、キーボードのCTRLキーとALTキーを離してください

3. 画面中央のパネルが消える
3. 画面中央のパネルが消える

上図のように画面中央のパネルが消えます。 ワークスペース2が選択されている状態でCTRLキーとALTキーを離しましたので、今はワークスペース2です。 テキストエディタは見当たりません。

では、ワークスペース1に戻しましょう。 キーボードのCTRLキーとALTキーを押し、カーソルキーの左()をチョンと押します。

4. ワークスペース1に戻る
4. ワークスペース1に戻る

上図のようにワークスペース1に戻り、隠れていたテキストエディタが再び姿を現しました。

このテキストエディタは、閉じずにこのままにしておいてください


ワークスペースの切り替え操作の説明は以上です。 特に難しい操作はありません。 ただし、少し不便を感じたという方も多いのではないでしょうか。

不便な点その1は、画面中央のパネルが消えると今のワークスペースがどこなのかが画面を見ただけではわからないことです。

不便な点その2は、マウス操作でワークスペースを切り替えられないことです。

では続いて、それらの不便な2点を解消しましょう。 画面下部のパネルに "ワークスペース切り替え器" を追加することで問題は解消されます。

5. 画面下部のパネルの何もない部分を右クリックし表示されるメニューの "パネルへ追加...(A)" を実行する
5. 画面下部のパネルの何もない部分を右クリックし表示されるメニューの "パネルへ追加...(A)" を実行する

上図のように画面下部のパネルの何もない部分をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるニューの "パネルへ追加...(A)" を実行します。

6. "ワークスペース切替" を追加する
6. "ワークスペース切替" を追加する

上図のように新たに『パネルへ追加』画面が開きます。 一覧から "ワークスペース切替" を選択し、[追加(A)]ボタンを押し、さらに[閉じる(C)]ボタンを押します。

7. 画面下部のパネルにワークスペース切り替え器が追加される
7. 画面下部のパネルにワークスペース切り替え器が追加される

上図のように画面下部のパネルにワークスペース切り替え器が追加されます。 ここを見れば、どのワークスペースが選択されているのかが一目瞭然です。

また、ワークスペース切り替え器の枠をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックすることで、そのワークスペースに切り替えることができます。 マウスだけでワークスペースを切り替えられるようになりました。


では次に、パネルに追加したワークスペース切り替え器を調整してみましょう。 現状では幅が広すぎてとても邪魔です。 ワークスペースの数を3 に減らすことで短くしましょう。 また、各ワークスペースの表示をプレビュー表示から名称表示に切り替えることでさらに短くします。

8. 追加されたワークスペース切り替え器を右クリックし表示されるメニューの "設定(P)" を実行する
8. 追加されたワークスペース切り替え器を右クリックし表示されるメニューの "設定(P)" を実行する

上図のように追加されたワークスペース切り替え器をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるニューの "設定(P)" を実行します。

9. ワークスペース切り替え器の設定画面が開く
9. ワークスペース切り替え器の設定画面が開く

上図のようにワークスペース切り替え器の設定画面が開きます。 ワークスペースに関する設定はこの画面で行います。

  
キーボードやマウスの設定画面とは異なり、コントロールセンターからは呼び出せません。

では、設定を変えていきましょう。 まずは、ワークスペースの数を 4 から 3 に減らしてみましょう。

10. ワークスペースの数(W) を 3 にする
10. ワークスペースの数(W) を 3 にする

上図のように "ワークスペースの数(W)" を 3 に変更します。

11. ワークスペースの数が3に減る
11. ワークスペースの数が3に減る

上図のようにワークスペース切り替え器の枠が 4 から 3 に減っています。 少しだけワークスペース切り替え器が短くなりました。

では次に、ワークスペース切り替え器の表示をプレビュー表示から名称表示に切り替えましょう。 まずは、ワークスペースの名称を短くします

12. ワークスペースの名称をダブルクリックする
12. ワークスペースの名称をダブルクリックする

上図のようにワークスペース名(M)の "ワークスペース 1" という行をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でダブルクリックします。

13. ワークスペースの名称を編集可能な状態になる
13. ワークスペースの名称を編集可能な状態になる

上図のように名称を編集可能な状態になります。 "1" と入力して、Enterキーで確定します。

14. ワークスペースの名称を "1" に変更する
14. ワークスペースの名称を "1" に変更する

上図のようにワークスペースの名称が "ワークスペース 1" から "1" に変更されます。

15. 全てのワークスペースの名称を短くする
15. 全てのワークスペースの名称を短くする

上図のように全てのワークスペースの名称を短くします。

では、ワークスペース切り替え器の表示を名称表示に切り替えます。

16. ワークスペースの名前を表示する(N)をオンにする
16. ワークスペースの名前を表示する(N)をオンにする

上図のように "ワークスペースの名前を表示する(N)" にチェックを入れ、[閉じる(C)]ボタンを押して画面を閉じます。

17. ワークスペース切り替え器が名称表示になる
17. ワークスペース切り替え器が名称表示になる

上図のようにワークスペース切り替え器の表示がプレビュー表示から名称表示に変わっています。 表示幅がさらに短くなりました。

ただし、表示されている位置がよくありません。 こんな中途半端な位置に表示されてしまっては邪魔なままです。 左に寄せましょう

といっても、左に寄せるには問題があります

18. 左にはウィンドウの一覧がある
18. 左にはウィンドウの一覧がある

上図のようにワークスペース切り替え器の左にはウィンドウの一覧があります。 ただ左に寄せるだけでは、ウィンドウの一覧にぶつかってしまいます。 おまけに、ウィンドウの一覧が狭くなってしまいます

  
実行中のウィンドウの情報を横並びに表示するのが "ウィンドウの一覧" の役目です。 今はテキストエディタのみが実行されている状態ですが、ウィンドウが増えると必要な横幅も増えていきます。 "ウィンドウの一覧" の右にはできるだけ広い空間を確保しておく必要があります。

つまり、ウィンドウの一覧と位置を入れ替える必要もあるということです。

19. ウィンドウの一覧を右クリックし表示されるメニューの "ロックする(K)" を実行する
19. ウィンドウの一覧を右クリックし表示されるメニューの "ロックする(K)" を実行する

上図のようにウィンドウの一覧をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるニューの "ロックする(K)" を実行します。

  
(1)の右クリックは "編集中のドキュメン..." よりも少し左の位置です。

これでロックが解除され、移動できるようになりました。 では、移動しましょう。

20. ウィンドウの一覧を右クリックし表示されるメニューの "移動(M)" を実行する
20. ウィンドウの一覧を右クリックし表示されるメニューの "移動(M)" を実行する

上図のようにウィンドウの一覧をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるニューの "移動(M)" を実行します。

  
(1)の右クリックは "編集中のドキュメン..." よりも少し左の位置です。

マウスで移動できる状態になりますので、ワークスペース切り替え器よりも右に移動してマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で確定します。

21. ウィンドウの一覧をワークスペース切り替え器よりも右に移動する
21. ウィンドウの一覧をワークスペース切り替え器よりも右に移動する

上図のようにウィンドウの一覧をワークスペース切り替え器よりも右に移動します。

では次に、ワークスペース切り替え器を左に寄せましょう。

22. ワークスペース切り替え器を右クリックし表示されるメニューの "移動(M)" を実行する
22. ワークスペース切り替え器を右クリックし表示されるメニューの "移動(M)" を実行する

上図のようにワークスペース切り替え器をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるニューの "移動(M)" を実行します。

マウスで移動できる状態になりますので、左に寄せてマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で確定します。

23. ワークスペース切り替え器を左に寄せる
23. ワークスペース切り替え器を左に寄せる

上図のようにワークスペース切り替え器を左に寄せます。 これなら邪魔にはなりません。

ウィンドウの一覧も左に寄せましょう。 ワークスペースの切り替え器の右にピッタリとくっつけます。

24. ウィンドウの一覧をワークスペース切り替え器の右にくっつける
24. ウィンドウの一覧をワークスペース切り替え器の右にくっつける

上図のようにウィンドウの一覧をワークスペース切り替え器の右へくっつけます。 これで、ウィンドウの一覧が右へ広がるための余裕ができました。


最後の仕上げとして、ワークスペース切り替え器とウィンドウの一覧を、

  1. 移動禁止
  2. 削除禁止

にします。

25. ワークスペース切り替え器を右クリックし表示されるメニューの "ロックする(K)" を実行する
25. ワークスペース切り替え器を右クリックし表示されるメニューの "ロックする(K)" を実行する

上図のようにワークスペース切り替え器をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるニューの "ロックする(K)" を実行します。

これで、移動することも削除することもできなくなりました。 さらにウィンドウの一覧もロックしましょう。

26. ウィンドウの一覧を右クリックし表示されるメニューの "ロックする(K)" を実行する
26. ウィンドウの一覧を右クリックし表示されるメニューの "ロックする(K)" を実行する

上図のようにウィンドウの一覧をマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるニューの "ロックする(K)" を実行します。

ウィンドウの一覧もロックされました

  
  

まとめ

Linux Mintには "ワークスペース" と呼ばれる仮想デスクトップ機能が搭載されています。 ワークスペースを利用することでデスクトップを複数持つことができ、それらを切り替えながら作業することができます。

操作/コマンド 説明
CTRL+ALT+
カーソルキーの右()
次のワークスペースへ切り替える
CTRL+ALT+
カーソルキーの左()
前のワークスペースへ切り替える

画面下部のパネルに "ワークスペース切り替え器" を追加することで、どのワークスペースが選択されているかを判断しやすくなります。 また、マウス操作でワークスペースを切り替えることもできるようになります。

ワークスペース切り替え器の設定画面を利用することで、ワークスペースの数やワークスペースの表示形式を変更することができます。

ワークスペースの数を必要最低限まで減らし、表示形式を名称表示に切り替えることで表示幅を短くするのがいいでしょう。 また、ワークスペース切り替え器をパネルの左または右に寄せて邪魔にならないように調整しましょう。

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