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動画編集ソフトウェアPitiviを使ってみよう

Pitiviを使って動画編集してみよう

この記事では、初級者向けの動画編集ソフトウェアである Pitivi の使い方を解説しています。

機能の少なさのためか以前はあまり評判はよくありませんでしたが、今ではオススメの動画編集ソフトウェアになっています。

  
不要な尺をカットして音楽を足し、タイトルやテロップを入れる、という程度であればPitiviで十分です。

なお、この記事では無料の素材配布サイトからカモメの動画とBGMをダウンロードし、

  1. 音声の無音化
  2. 不要部分のカット(2秒目から10秒間だけ残す)
  3. BGMを入れる
  4. 先頭にタイトルを入れる
  5. 途中にテロップを入れる
  6. 透かしロゴを入れる
  7. 先頭の1秒間をフェードインさせる(※1)
  8. 最後の1秒間をフェードアウトさせる(※2)
  • ※1 映像を徐々に明るする / 音量を徐々に上げる
  • ※2 映像を徐々に暗くする / 音量を徐々に下げる

という編集を行います。 なお、以下が編集後の完成動画です。 この程度の動画であればPitiviで十分です。

カモメたち

Pitiviのインストールについて

まだPitiviがインストールされていない場合は、以下を参考にインストールを行ってください。 Linux MintおよびMX Linuxでのインストール方法をそれぞれ紹介しています。

Linux Mintの場合

 

ソフトウェアマネージャーを開き、左上にある検索欄に "pitivi" と入力します。

絞り込まれた一覧から "Pitivi" を選択してインストールを行います。

  
システムのパッケージ版とFlatpak版の両方が見つかります。 オススメはシステムのパッケージ版です。

MX Linuxの場合

 

MX パッケージインストーラを開いて "有効なリポジトリ" タブを選択し、一覧の右上にある検索欄に "pitivi" と入力します。

絞り込まれた一覧から "pitivi" にチェックを入れ、[インストール]ボタンを押してインストールします。

素材となる動画やBGMのダウンロード

素材となる動画やBGMは以下の通りです。

映像素材 土台となる映像
※カモメの動画
※音声は捨てる
音楽素材 BGMにする楽曲
※放課後の夕空という曲
画像素材 右上に入れる透かしロゴ
※野鳥の画像

では、それぞれダウンロードしましょう。


映像素材として使用するのは、Pexels様で公開されているカモメの動画です。 別に野鳥が好きってわけではありませんが、カモメを選んでみました。

以下のリンクから "フルHD 1920x1080" のサイズのファイルをダウンロードしてください。

  1. Pexels様で公開されているカモメの動画
  
ダウンロードした映像素材は sample-video.mp4 というファイル名で保存してください。 保存場所はホームディレクトリの下の "ドキュメント" ディレクトリであると仮定しています。

音楽素材として利用するのは、甘茶の音楽工房様の "放課後の夕空" という曲です。 なんとなくカモメに合いそうだったのでこの曲にしてみました。

以下のリンクからダウンロードしてください。

  1. 甘茶の音楽工房様の "放課後の夕空" という曲
  
ダウンロードした音楽素材は sample-bgm.mp3 というファイル名で保存してください。 保存場所はホームディレクトリの下の "ドキュメント" ディレクトリであると仮定しています。

最後に、画像素材をダウンロードしましょう。 本ウェブサイトで用意した、透かしロゴ用のPNG形式の画像ファイルです。 野鳥(セグロセキレイ)の画像です。

以下のリンクからダウンロードしてください。

  1. simpleedit-logo.zip

ダウンロードしたら展開してください。 展開すると "sample-logo.png" というファイルが作成されます。

  
展開先はホームディレクトリの下の "ドキュメント" ディレクトリであると仮定しています。

以下のファイルが揃ったことを確認して次へ進みましょう。

映像素材 sample-video.mp4
音楽素材 sample-bgm.mp3
画像素材 sample-logo.png

動画編集

では、Pitiviを使って動画編集を行いましょう。 ダウンロードした 映像素材 / 音楽素材 / 画像素材 から完成作品を作ります。 実施する編集作業を以下に再掲載します。

  1. 音声の無音化
  2. 不要部分のカット(2秒目から10秒間だけ残す)
  3. BGMを入れる
  4. 先頭にタイトルを入れる
  5. 途中にテロップを入れる
  6. 透かしロゴを入れる
  7. 先頭の1秒間をフェードインさせる(※1)
  8. 最後の1秒間をフェードアウトさせる(※2)

Pitiviの起動と素材のメディアライブラリへの追加

最初に行う作業は、ダウンロードした 映像素材 / 音楽素材 / 画像素材 のメディアライブラリへの追加です。

"メディアライブラリ" とは文字通り図書館のようなもので、素材はあらかじめここに追加しておく必要があります

では、作業を始めましょう。 Pitiviを起動してください。

1. 新バージョンのお知らせ
1. 新バージョンのお知らせ

上図のように新バージョンのお知らせが表示されることがあります。 その場合には[X]ボタンを押してメッセージを閉じてください。

2. [New]ボタンを押す
2. [New]ボタンを押す

上図のように画面左上にある[New]ボタンを押します。

3. [+ Import]ボタンを押す
3. [+ Import]ボタンを押す

上図のように画面項目が増えますので "メディアライブラリ" タブにある[+ Import]ボタンを押します。

4. ファイルを選択する
4. ファイルを選択する

上図のように "ファイルを選択" 画面が開きます。 用意した sample-video.mp4 / sample-bgm.mp3 / sample-logo.png の3ファイルを選択して[Add]ボタンを押してください。

5. メディアライブラリに素材が追加される
5. メディアライブラリに素材が追加される

上図のようにメディアライブラリに sample-video.mp4 / sample-bgm.mp3 / sample-logo.png が追加されます。

また、上部には "The project settings ..." というメッセージと [プロジェクトの設定]ボタンが表示されています。

このメッセージが言っているのは 『映像素材 sample-video.mp4 が追加されたので、それに合わせてプロジェクトを設定しましたよ』 ということです。

プロジェクトの設定を変更する必要はありませんが、一応ここで設定内容を見ておきましょう。

6. [プロジェクトの設定]ボタンを押す
6. [プロジェクトの設定]ボタンを押す

上図のように[プロジェクトの設定]ボタンを押します。

7. プロジェクトの設定が表示される
7. プロジェクトの設定が表示される

上図のようにプロジェクトの設定が表示されます。 この設定は映像素材 sample-video.mp4 を元にPitiviが自動的に決定したものです

プロジェクトの設定を変更する必要はありませんので、[Cancel]ボタンを押して画面を閉じましょう。

8. メッセージが消える
8. メッセージが消える

上図のように "The project settings ..." というメッセージは消えています。 素材だけが表示されている状態になり、見やすくなりました。

素材はクリップとも呼ばれる


動画編集の世界では "素材" は "クリップ" とも呼ばれます。 Pitiviでも各素材はクリップと呼ばれますので、この記事でも以降は "クリップ" と表現します

音声の無音化と不要部分のカット

次に実施するのは映像クリップであるカモメの動画の、

  1. タイムラインへの配置
  2. 音声の無音化
  3. 不要部分のカット(2秒目から10秒間だけを残す)

です。

タイムラインとは


タイムラインというのは動画編集の作業を行う作業場所のことです。 各クリップは、タイムラインに配置されることで初めて編集できるようになります。

タイムラインは時間軸を持っており、水平方向で時間の流れを表しています。 また、タイムラインは複数の層(レイヤ)で構成されています。 上層のレイヤに配置されたクリップは、下層のレイヤのクリップを覆い隠します。

 

最終的に動画として出力されるのはタイムライン上にあるクリップです。 タイムライン上の各層に配置された各クリップが、上層のクリップが下層のクリップを覆い隠すように合成され、時間の流れに沿って出力されます。

では、映像クリップ(カモメの動画)をタイムラインに配置しましょう。

1. 映像クリップを選択して[選択中のクリップをタイムラインに追加]ボタンを押す
1. 映像クリップを選択して[選択中のクリップをタイムラインに追加]ボタンを押す

上図のようにメディアライブラリの映像クリップを選択し、下部にある[選択中のクリップをタイムラインに追加]ボタンを押します。

2. タイムラインの Layer 0 に映像クリップが追加される
2. タイムラインの Layer 0 に映像クリップが追加される

上図のように映像クリップである "カモメの動画" が "Layer 0" に追加されます。 なお "Layer 0" は最上位のレイヤです。

  
新規プロジェクトでは、レイヤは1つだけしかありません。

映像クリップの左端が目盛りの "00:00" から始まっているのは、0秒からこのクリップが再生されることを意味しています。

また、映像クリップの下部にある緑色に着色されている波形は音声を表しています。 カモメの動画に含まれている鳴き声や波の音です。


では次に、映像クリップの音声の無音化を行います。 カモメの動画にはカモメの鳴き声や波の音が入っていますのでこれをミュートします。

3. [音声出力]ボタンを押す
3. [音声出力]ボタンを押す

上図のようにレイヤ "Layer 0" の[音声出力]ボタンを押します。

4. 音声が無音化される
4. 音声が無音化される

上図のように[音声出力]ボタンのアイコンにバツが描かれます。 これは音声が無音化されていることを表しています。 このレイヤ上のクリップが音声を出力することはなくなりました


続いて行うのは映像クリップの不要部分のカットです。 具体的には、2秒目から10秒間だけを残して他の部分を取り除きます。

まず最初に、現フレームを先頭(1フレーム目)に移動します。 なお "フレーム" とはコマのことです。

  
例えば "秒間30フレームの動画" というのは1秒間に30回映像が切り替わる動画を指します。
5. [タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押す
5. [タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押す

上図のように[タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押します。

  
すでに現フレームは先頭にありますが、念の為に先頭に戻しています。

これで現フレームは0秒に移動しましたので、次に2秒進めます。

6. [1秒進む]ボタンを押す
6. [1秒進む]ボタンを押す

上図のように[1秒進む]ボタンを押します。

7. 1秒進む
7. 1秒進む

上図のように1秒進みます。 タイムコードが 00:01.000 になり、また、現フレームを表す赤色の縦線も1秒の位置に移動しています。

では、再度[1秒進む]ボタンを押してください

8. 2秒の位置に移動する
8. 2秒の位置に移動する

上図のように2秒の位置に移動したことを確認します。 これで、現フレームが2秒の位置に移動しました。

では、この位置(2秒)で映像クリップを分割します。 カットするには、まずはカットしたい部分で分割する必要があります

9. [現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す
9. [現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す

上図のようにタイムラインの右端にある[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押します。

10. 現フレームの位置で映像クリップが分割される
10. 現フレームの位置で映像クリップが分割される

上図のように現フレームの位置で映像クリップが2つに分割されます(見づらいですが)。

では次に、映像クリップの左の2秒間の部分を削除します。 削除するにはクリップを選択しておく必要があります

11. 映像クリップの左の2秒間をマウスの左ボタンでクリックする
11. 映像クリップの左の2秒間をマウスの左ボタンでクリックする

上図のように映像クリップの左の2秒間をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

12. 映像クリップの左の2秒間が選択される
12. 映像クリップの左の2秒間が選択される

上図のように映像クリップの左の2秒間が選択されます。 このようにクリップはマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリックで選択することができます。

では、選択中のクリップを削除しましょう。

13. [クリップを削除]ボタンを押す
13. [クリップを削除]ボタンを押す

上図のようにタイムラインの右端にある[クリップを削除]ボタンを押します。

14. 選択中のクリップが削除される
14. 選択中のクリップが削除される

上図のように選択中のクリップが削除されます。 結果、先頭の2秒間にはポッカリと隙間ができてしまいました。

では続いて、この隙間を無くします。 残された映像クリップを左に詰めることで隙間を埋めます。

15. 映像クリップを左端までドラッグ
15. 映像クリップを左端までドラッグ

上図のように映像クリップを左端までドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

  
両端ではなく、中央をドラッグしてください。 左端をドラッグすると開始位置だけが、右端をドラッグすると終了位置だけが移動します。
16. 映像クリップが先頭に移動する
16. 映像クリップが先頭に移動する

上図のように映像クリップが先頭に移動します。 このクリップは0秒から再生されるようになりました。

続いて、映像クリップを10秒に切り詰めます。 10秒の位置で分割し、後半を削除します。 今回は映像クリップを選択した状態で分割してみましょう

17. 映像クリップをクリックする
17. 映像クリップをクリックする

上図のように映像クリップをクリックします。

18. 映像クリップが選択される
18. 映像クリップが選択される

上図のように映像クリップが選択されます。

なお、映像部分と音声部分にそれぞれ2つのオレンジ色の菱形が描かれています。 この4つのオレンジ色の菱形は "キーフレーム" と呼ばれるものです。

  
キーフレームについては、後ほどの作業で解説します
  
Pitiviのバージョンによってはキーフレームが表示されないこともあります。 少なくとも筆者の環境では MX Linux 23.6 の場合は表示されません。 その場合にはFlatpak版を利用してみてください。

では、現フレームを10秒の位置に移動させましょう。 ただし、ボタン操作は行いません。 別の操作方法で10秒の位置へ移動してみましょう。

19. タイムコードをクリックする
19. タイムコードをクリックする

上図のようにタイムコードをクリックします。

20. タイムコードが入力可能な状態になる
20. タイムコードが入力可能な状態になる

上図のようにタイムコードが入力可能な状態になります。 ここに時間を入力することで現フレームを移動させることができます。

  
タイムコードには時間だけでなく、フレーム番号を入力することもできます。 秒間30フレームの動画であれば 60 と入力することで 00:02.000 の位置へ移動します。
21. 00:10.000 と入力する
21. 00:10.000 と入力する

上図のように 00:10.000 と入力します。 なお、小数点以下は必ず3桁で入力する必要があります。 省略して "00:10" や "00:10.0" のように入力するとエラーになってしまいます。

では、Enterキーを押して確定してください。

22. 10秒の位置へ移動する
22. 10秒の位置へ移動する

上図のように現フレームが10秒の位置へ移動します。 では、この位置で映像クリップを分割しましょう。

23. [現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す
23. [現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す

上図のように[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押します。

24. 現フレームの位置で映像クリップが分割される
24. 現フレームの位置で映像クリップが分割される

上図のように現フレームの位置で映像クリップが2つに分割されます。

  
今回は映像クリップを選択した状態で分割しました。 そのため、前半部分は選択された状態のままになっています。

では、映像クリップの左の10秒間を残し、右側は削除してしまいましょう。

25. 映像クリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押す
25. 映像クリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押す

上図のように映像クリップの不要部分を選択し、[クリップを削除]ボタンを押します。

26. 映像クリップが10秒に切り詰められる
26. 映像クリップが10秒に切り詰められる

上図のように映像クリップが10秒に切り詰められました。 これで、映像クリップの不要部分のカットも終わりました。

BGMを入れる

では続いて、BGMを追加する作業を行います。 映像クリップと同じく、音楽クリップもタイムラインに追加する必要があります

ただし、レイヤの "Layer 0" には映像クリップが配置されています。 まずは、新たにレイヤを追加する必要があります。

1. [Add layer]ボタンを押す
1. [Add layer]ボタンを押す

上図のようにタイムラインの左下にある[Add layer]ボタンを押します。

2. 新たなレイヤが追加される
2. 新たなレイヤが追加される

上図のように新たなレイヤ "Layer 1" が追加されます。

  
"Layer 0" や "Layer 1" の部分をクリックすることで、レイヤの名称を変更することができます(今回は実施しません)。

では、追加されたレイヤ "Layer 1" に音楽クリップを配置しましょう。 ただし、[選択中のクリップをタイムラインに追加]ボタンは使いません。 ここで別の方法も紹介しておきます。

3. 音楽クリップを Layer 1 までドラッグ
3. 音楽クリップを Layer 1 までドラッグ

上図のように音楽クリップをレイヤ "Layer 1" までドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

4. 音楽クリップが Layer 1 に追加される
4. 音楽クリップが Layer 1 に追加される

上図のように音楽クリップが "Layer 1" に追加されます。 音楽クリップは映像を持たないため、波形のみが表示されています。

では、この音楽クリップを映像クリップと同じ長さに切り詰めます。 ただし、分割して削除する、という手順は踏みません

今回は音楽クリップの右端をドラッグすることで終了位置を移動させます。

5. 音楽クリップの右端を映像クリップの右端と同じ位置までドラッグ
5. 音楽クリップの右端を映像クリップの右端と同じ位置までドラッグ

上図のように音楽クリップの右端を映像クリップの右端と同じ位置までドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

6. 吸い寄せられると水色の縦線が表示される
6. 吸い寄せられると水色の縦線が表示される

上図のようにドラッグ先が映像クリップの右端に近づくと水色の縦線が表示されます。 これはスナップ、つまり "吸い寄せ" の機能が働いている状態です。

水色の縦線が表示されている状態でマウスを離すことで、音楽クリップの終了位置を映像クリップとピッタリ合わせることができます。

7. 音楽クリップが映像クリップに合わせて切り詰められる
7. 音楽クリップが映像クリップに合わせて切り詰められる

上図のように音楽クリップが映像クリップに合わせて切り詰められます。 このように終了位置を移動させることでもクリップを切り詰めることができます

ではここで、タイムラインの表示倍率を調整しましょう。 現在の表示倍率では約2分がタイムラインに収まるように表示されています。 これでは細かい作業がしづらいので、15秒が収まる程度に拡大しましょう。

8. 表示倍率スライダを調整する
8. 表示倍率スライダを調整する

上図のようにタイムラインの左上にある表示倍率スライダを調整します。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

9. タイムラインに15秒が収まる程度に拡大する
9. タイムラインに15秒が収まる程度に拡大する

上図のようにタイムラインに15秒が収まる程度に拡大します。

  
スライダの左にある[ズーム]ボタンを押すことで、クリップがピッタリ収まるように自動調整させることもできます。

では続いて、クリップの選択を解除します。 現時点で未選択かもしれませんが、とくにかく未選択の状態にします。

10. タイムラインのクリップ以外の場所をクリック
10. タイムラインのクリップ以外の場所をクリック

上図のようにタイムラインのクリップ以外の場所をクリックします。 これでクリップは何も選択されていない状態になります。

ただし、ちょっとした問題が起きています現フレームが移動してしまっているのです

11. 現フレームが移動してる
11. 現フレームが移動してる

上図のように現フレームが約4秒の位置に移動しています。 クリックした位置に移動した、というわけです。

  
Pitiviのバージョンによっては、左クリックしても現フレームは移動しません。 右クリックで現フレームが移動するように変更されたためです。

次の工程では現フレームが先頭になければ不都合が起こる可能性があります。 現フレームを先頭に移動させておきましょう。

12. [タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押す
12. [タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押す

上図のように[タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押します。

13. 現フレームが先頭に戻る
13. 現フレームが先頭に戻る

上図のように現フレームが先頭に戻ります。 現フレームを表す赤色の縦線が0秒の位置に移動しています。

では、現フレームが先頭にある状態で次の工程へ進みましょう。

先頭にタイトルを入れる

次に行うのがタイトル入れです。 開始2秒間に "カモメたち" というタイトルを入れます。

なお、タイトルはメディアライブラリからではなく、中央にある "Clip" タブから追加します。

1. [Create a title clip]ボタンを押す
1. [Create a title clip]ボタンを押す

上図のように "Clip" タブにある[Create a title clip]ボタンを押します。

2. タイトルクリップが追加される
2. タイトルクリップが追加される

上図のように新たにレイヤが作成され、タイトルクリップが追加されます。

  
レイヤが新たに追加されたのは、現フレームが先頭にある状態で[Create a title clip]ボタンを押したためです。 どのレイヤにも先頭には隙間がありませんでしたので、新たなレイヤが追加されました。
  
クリップが配置されていない場所に現フレームが位置していた場合には、その隙間にテキストが追加される可能性があります。

では、追加されたタイトルクリップのテキストを変更しましょう。

3. Clipタブのテキスト部分をクリック
3. Clipタブのテキスト部分をクリック

上図のように "Clip" タブのテキスト部分をクリックします。

4. テキストを変更可能な状態になる
4. テキストを変更可能な状態になる

上図のようにテキストを変更可能な状態になります。 "カモメたち" と入力してください。

5. テキストが変更される
5. テキストが変更される

上図のようにテキストが "カモメたち" に変更されます。 では続いて、このタイトルクリップを2秒に切り詰めます。

6. タイトルクリップを選択して現フレームを2秒の位置へ
6. タイトルクリップを選択して現フレームを2秒の位置へ

上図のようにタイトルクリップを選択した状態で、現フレームを2秒の位置へ移動させます。

  
必ずタイトルクリップを選択してください。
7. [現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す
7. [現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す

上図のようにタイムラインの右端にある[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押します。

8. 現フレームの位置でタイトルクリップが分割される
8. 現フレームの位置でタイトルクリップが分割される

上図のように現フレームの位置でタイトルクリップが分割されます。 映像クリップや音楽クリップは分割されていないことに注目してください分割されたのはタイトルクリップのみです

クリップが未選択だと全クリップが分割される


タイトルクリップのみが分割されたのは、あらかじめタイトルクリップを選択していたからです。 クリップが未選択だと、現フレームの位置で全てのクリップが分割されます。

では、分割された後ろの部分を削除しましょう。

9. タイトルクリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押す
9. タイトルクリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押す

上図のようにタイトルクリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押します。

10. タイトルクリップが2秒に切り詰められる
10. タイトルクリップが2秒に切り詰められる

上図のようにタイトルクリップが2秒に切り詰められます。 ただし、タイトルクリップに関する作業はまだ終わりではありません

映像クリップと音楽クリップの開始位置をタイトルクリップの終了位置に合わせる必要があります。 2秒間のタイトルの表示の後に映像と音楽を再生したいですから。

11. 映像クリップを右へドラッグ
11. 映像クリップを右へドラッグ

上図のように映像クリップを右へドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

12. 映像クリップの開始位置をタイトルクリップの終了位置に合わせる
12. 映像クリップの開始位置をタイトルクリップの終了位置に合わせる

上図のように映像クリップの開始位置をタイトルクリップの終了位置に合わせます。 スナップ(吸い寄せ)の機能のおかげでピッタリと合わせることができるハズです。

13. 音楽クリップの開始位置をタイトルクリップの終了位置に合わせる
13. 音楽クリップの開始位置をタイトルクリップの終了位置に合わせる

上図のように音楽クリップの開始位置もタイトルクリップの終了位置に合わせましょう。

ではここで、クリップの選択を解除しておきます。

14. タイムラインのクリップ以外の場所をクリック
14. タイムラインのクリップ以外の場所をクリック

上図のようにタイムラインのクリップの配置されていない場所をクリックします。 これでクリップは何も選択されていない状態になりますが、現フレームは移動してしまいます

15. 現フレームが移動してる
15. 現フレームが移動してる

上図のように現フレームが移動しました。 まあ、当然の動作です。

では、現フレームを先頭に移動させておきましょう。 次の工程では現フレームが先頭になければ不都合が起こる可能性があるためです

16. [タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押す
16. [タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押す

上図のように[タイムラインの先頭に戻る]ボタンを押します。

17. 現フレームが先頭に戻る
17. 現フレームが先頭に戻る

上図のように現フレームが先頭に戻ります。 では、現フレームが先頭にあるこの状態のまま次の工程へ進みましょう

途中にテロップを入れる

では次にテロップを入れます。 映像が開始された1秒後、つまり3秒目から3秒間 "堤防に沢山のカモメが集まってきました" と表示します。 なお、テロップはタイトルと同じく "タイトルクリップ" を使います。

1. [Create a title clip]ボタンを押す
1. [Create a title clip]ボタンを押す

上図のように "Clip" タブにある[Create a title clip]ボタンを押します。

2. タイトルクリップが追加される
2. タイトルクリップが追加される

上図のようにさらに新たにレイヤが作成され、タイトルクリップが追加されます。 なお、以降はこの2つ目のタイトルクリップのことを "テロップクリップ" と表記します

では、このテロップクリップを映像クリップの長さに合わせます。 後ほど切り詰めますが、ひとまず映像クリップに合わせておきます。

3. テロップクリップを映像クリップに合わせる
3. テロップクリップを映像クリップに合わせる

上図のようにテロップクリップの開始位置と終了位置をを映像クリップに合わせます。

では、テロップクリップのテキストを "堤防に沢山のカモメが集まってきました" に変更しましょう。

4. テキストが変更される
4. テキストが変更される

上図のようにテキストを "堤防に沢山のカモメが集まってきました" に変更します。

では、プレビューエリアを見てみましょう。

5. プレビューエリアにはテロップクリップが表示されていない
5. プレビューエリアにはテロップクリップが表示されていない

上図のようにプレビューエリアにはテロップクリップの内容が表示されていません。 理由は、現フレームが先頭にあるためです。 テロップクリップは2秒目から始まりますから、0秒の時点のプレビューエリアには表示されません。

というわけですので、現フレームをテロップクリップと重なる位置へ移動させましょう。

6. テロップクリップの内容がプレビューエリアに表示される
6. テロップクリップの内容がプレビューエリアに表示される

上図のように現フレームをテロップクリップと重なる位置に移動させましょう。 結果、プレビューエリアに "堤防に沢山のカモメが集まってきました" と表示されました。

では続いて、テロップクリップのフォントサイズを変更します。

7. フォントサイズを 16 に変更する
7. フォントサイズを 16 に変更する

上図のように "Clip" タブでテキストのフォントとサイズを変更することができます。 今回の例ではフォントは Sans Regular のままでサイズを 16 に変更しています。

8. フォントサイズが小さくなる
8. フォントサイズが小さくなる

上図のようにフォントサイズが小さくなります。 では次に、テキストの位置を下げましょう。

9. テロップクリップを下方にドラッグ
9. テロップクリップを下方にドラッグ

上図のようにテロップクリップを下方にドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

10. テロップクリップの位置が下がる
10. テロップクリップの位置が下がる

上図のようにテロップクリップの位置が下がります。 このようにプレビューエリアでクリップを移動させることができます

  
"Clip" タブの "Alignment" で数値入力して調整することもできます。

では続いて、テロップクリップの切り詰めを行います。 映像が開始された1秒後、つまり3秒目から3秒間だけ表示されるように切り詰めます。

11. テロップクリップを選択した状態で3秒目に移動して[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す
11. テロップクリップを選択した状態で3秒目に移動して[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す

上図のようにテロップクリップを選択し、かつ、現フレームが3秒目に位置した状態で[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押します。

12. テロップクリップが3秒目で分割される
12. テロップクリップが3秒目で分割される

上図のようにテロップクリップが3秒目で分割されます。 では、不要な左部分を削除しましょう。

13. テロップクリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押す
13. テロップクリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押す

上図のようにテロップクリップの不要部分を選択して[クリップを削除]ボタンを押します。

14. テロップクリップの不要部分が削除される
14. テロップクリップの不要部分が削除される

上図のようにテロップクリップの不要部分が削除されます。 では続けて、3秒に切り詰める作業を行います。

15. テロップクリップを選択した状態で6秒目に移動して[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す
15. テロップクリップを選択した状態で6秒目に移動して[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す

上図のようにテロップクリップを選択し、かつ、現フレームが6秒目に位置した状態で[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押します。

16. テロップクリップが6秒目で分割される
16. テロップクリップが6秒目で分割される

上図のようにテロップクリップが6秒目で分割されます。 では、不要な右部分を削除します。

17. 不要な右部分を削除する
17. 不要な右部分を削除する

上図のように不要な右部分を削除します。 これで、テロップクリップの切り詰めは完了です。

透かしロゴを入れる

まだまだ作業は続きます。 続いての工程は、透かしロゴを入れる作業です。 画像クリップとして用意したセグロセキレイ(野鳥)の画像を、右上に半透明な状態で表示させます。

なお、映像が開始された1秒後から映像が終了する1秒前まで表示します。 つまり、3秒目から11秒目までの8秒間の表示です。

透かしロゴを入れる前にタイムラインを縦広げましょう

1. タイムライン上部の境界線を上方へドラッグ
1. タイムライン上部の境界線を上方へドラッグ

上図のようにタイムライン上部の境界線をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で上方へドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

2. タイムラインを縦に広げる
2. タイムラインを縦に広げる

上図のようにタイムラインを縦に広げます。 [Add layer]ボタンが見える程度に広げましょう。

では、透かしロゴを配置するためのレイヤを追加します。

3. [Add layer]ボタンを押す
3. [Add layer]ボタンを押す

上図のようにタイムラインの左下にある[Add layer]ボタンを押します。

4. 新たなレイヤが追加される
4. 新たなレイヤが追加される

上図のように新たなレイヤが最下位に追加されます。 なお、最下位のままでは問題があります。 より上位に映像クリップがあるため、ここに透かしロゴを配置しても隠されてしまうのです。

というわけですので、追加されたレイヤを最上位に移動させましょう。

5. レイヤメニューの "Move layer to top" を実行する
5. レイヤメニューの "Move layer to top" を実行する

上図のように新たに追加されたレイヤにある[レイヤメニュー]ボタンを押し、表示されるメニューの "Move layer to top" を実行します。

6. レイヤが最上位に移動する
6. レイヤが最上位に移動する

上図のようにレイヤが最上位に移動します。 では、このレイヤに画像クリップを追加しましょう。

7. 画像クリップを Layer 0 までドラッグ
7. 画像クリップを Layer 0 までドラッグ

上図のように画像クリップをレイヤ "Layer 0" までドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

8. 画像クリップが Layer 0 に追加される
8. 画像クリップが Layer 0 に追加される

上図のように画像クリップが "Layer 0" に追加されます。 初期設定では、画像クリップは1秒の長さで追加されます

では、この画像クリップの長さを調整します。 開始位置をテキストクリップに合わせ、終了位置を映像クリップに合わせます。

9. テロップクリップを映像クリップに合わせる
9. テロップクリップを映像クリップに合わせる

上図のように開始位置をテキストクリップに、終了位置を映像クリップに合わせます。 つまり、9秒の長さになりました

では、最後の1秒間をカットしましょう

10. 画像クリップを選択した状態で11秒目に移動して[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す
10. 画像クリップを選択した状態で11秒目に移動して[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押す

上図のように画像クリップを選択し、かつ、現フレームが11秒目に位置した状態で[現フレームの位置でクリップを分割]ボタンを押します。 画像クリップが分割されるので、最後の1秒の不要部分を削除します。

11. 画像クリップを8秒に切り詰める
11. 画像クリップを8秒に切り詰める

上図のように画像クリップが8秒に切り詰められます。 これで長さの調整は終わりました。

では次に、画像クリップの縮小と移動を行います。 まずは、移動からです。

12. 画像クリップを選択する
12. 画像クリップを選択する

上図のように画像クリップを選択します。 画像クリップを選択したことで、プレビューエリアにが表示されています。 この枠で移動や拡大縮小を行うことができます

13. プレビューエリアの枠のツマミをドラッグする
13. プレビューエリアの枠のツマミをドラッグする

上図のようにプレビューエリアの枠の右下のツマミを左上にドラッグしてください。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

14. 画像クリップが縮小される
14. 画像クリップが縮小される

上図のように画像クリップが縮小されます。 このように枠の四隅および上下左右にある8つのツマミで拡大縮小させることができます

次は移動です。 同じくプレビューエリアの枠で移動させることができます。

15. プレビューエリアの枠をドラッグする
15. プレビューエリアの枠をドラッグする

上図のようにプレビューエリアの枠のツマミ以外の部分を右にドラッグします。

16. 画像クリップを右上に移動する
16. 画像クリップを右上に移動する

上図のように画像クリップが右上に移動します。 このように枠内、かつツマミ以外の領域のドラッグで移動させることができます。

これで、画像クリップが適切な位置・大きさになりました。 残るは半透明にする作業です。 "透かし" ロゴですから半透明にしなければ話になりません。

半透明にするには "エフェクト" を使います。 エフェクトとは、クリップに適用することができる特殊効果のことです

17. [Add Effect]ボタンを押す
17. [Add Effect]ボタンを押す

上図のように "Clip" タブの[Add Effect]ボタンを押します。

  
画像クリップが選択された状態で[Add Effect]ボタンを押してください。
18. 検索キーワードに alpha と入力して Alpha Filter を選択
18. 検索キーワードに alpha と入力して Alpha Filter を選択

上図のようにエフェクトの選択パネルが開きますので検索キーワードに "alpha" と入力し、表示される "Alpha Filter" をクリックします。

19. Alpha Filterが追加される
19. Alpha Filterが追加される

上図のようにAlpha Filterが追加されます。 Alpha Filterは、クリップを半透明にするためのエフェクトです。

  
エフェクトには様々な種類があります。

では、追加されたエフェクト Alpha Filter の調整を行いましょう。

20. エフェクトの三角マークをクリックする
20. エフェクトの三角マークをクリックする

上図のようにAlpha Filterの三角マークをクリックします。

21. 詳細が表示されるので Alpha を 0.4 に変更する
21. 詳細が表示されるので Alpha を 0.4 に変更する

上図のように詳細が表示されるので Alpha を 0.4 に変更します。 なお、Alpha は不透明度を表しており 0.0 で完全透明に 1.0 で完全不透明になります。

22. 画像クリップが半透明になる
22. 画像クリップが半透明になる

上図のように画像クリップが半透明になります。 これで、透かしロゴの追加は完了しました。

先頭と最後の1秒間をフェードイン / フェードアウトさせる

いよいよフェードイン・フェードアウトの設定です。 これが最後の編集作業になります。 もう一息です。

1. 映像クリップを選択して現フレームを3秒目に移動する
1. 映像クリップを選択して現フレームを3秒目に移動する

上図のように映像クリップを選択し、現フレームを3秒目に移動します。

ではここで、映像クリップに注目してください。

2. キーフレーム
2. キーフレーム

上図のように映像部分と音声部分にそれぞれ2つのオレンジ色の菱形が描かれています。 また、菱形と菱形は線でつながれています

この4つのオレンジ色の菱形は "キーフレーム" です。 キーフレームとは、不透明度や音量などの設定値を時間の経過に沿って変化させるための基点です

現在選択中の映像クリップでは、映像部分の2つの菱形が不透明度のキーフレームで音声部分の2つの菱形が音量のキーフレームです。

現状、どちらも菱形のペアは同じ高さにあり、菱形をつなぐ線は水平です。 これは時間の経過による変化はないことを示しています。 映像部分はずっと不透明度100%で、音量もずっと100%であることを示しています。

  
不透明度は 100% が上限なので菱形は上に張り付いていますが、音量は 200% が上限なので中間の高さに位置しています。

では、選択中の映像クリップのフェードイン・フェードアウトを設定しましょう。 映像部分のキーフレームを "水平" から "台形" にすることで実現します。

ただし、キーフレームが2つではどうやっても台形にはできません。 映像が開始された1秒後と映像が終了する1秒前の2箇所にキーフレームを追加する必要があります。

では、それぞれの位置にキーフレームを追加しましょう。 なお、キーフレームを追加するには、マウスカーソルをキーフレームをつなぐ線に乗せる必要があります

3. マウスカーソルが手のひらに変化する位置でクリックする
3. マウスカーソルが手のひらに変化する位置でクリックする

上図のようにキーフレームをつなぐ線と現フレームを示す赤色の縦線が交差する位置にマウスカーソルを乗せます。 マウスカーソルが手のひらに変化するので、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

  
現フレームを示す赤色の縦線はクリック位置の目安に使っています。 赤色の縦線との交差地点にキーフレームが追加されるわけではありません。
4. クリック位置にキーフレームが追加される
4. クリック位置にキーフレームが追加される

上図のようにクリック位置にキーフレームが追加されます。

  
キーフレームはクリック位置に追加されます。 赤色の縦線との交差地点に追加されるわけではありません。

では、最初から存在している左端のキーフレームを一番下まで移動させましょう。 左端のキーフレーム(菱形)にマウスカーソルを乗せてください

5. 一番下までドラッグする
5. 一番下までドラッグする

上図のようにマウスカーソルが手のひらに変化しますので、一番下までドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

6. 左端のキーフレームの値が 0% になる
6. 左端のキーフレームの値が 0% になる

上図のように左端のキーフレームが一番下に移動します。 これは不透明度が 0%、つまり完全透明になったことを意味しています。

このキーフレームの設定により、映像の開始時点の不透明度が 0% で、1秒後が 100% になりました。 つまり、1秒かけてフェードインさせる設定がこれで完了しました

同じ手順で映像終了時の1秒のフェードアウトも設定しましょう。

7. 映像終了時の1秒のフェードアウトも設定する
7. 映像終了時の1秒のフェードアウトも設定する

上図のように映像終了時の1秒をかけてのフェードアウトも設定します。 1秒かけてキーフレームが 100% から 0% になるように設定しています。

続けて、音楽クリップのフェードイン・フェードアウトも設定しましょう。 映像クリップと同じく、1秒でフェードインし1秒でフェードアウトします。

8. 音楽クリップのフェードイン・フェードアウトも設定する
8. 音楽クリップのフェードイン・フェードアウトも設定する

上図のように音楽クリップのフェードイン・フェードアウトも設定します。 映像クリップと同じく台形になります。

これで編集作業は終わりです。 残る作業は、プロジェクトの保存と動画の出力だけです。

プロジェクトを保存する

では、編集内容を失う事のないように保存しておきましょう。 なお、本来であればこまめに保存しておくべきです

1. [Save]ボタンを押す
1. [Save]ボタンを押す

上図のように画面右上にある[Save]ボタンを押します。

2. 名前を付けて保存
2. 名前を付けて保存

上図のように名前を付けて保存ダイアログが開きます。 名前(N)に任意のファイル名を入力し、[Save]ボタンを押して保存してください。

エンコード / デコード / コーデック / ビットレート / コンテナという用語について

残る作業は動画の出力のみですが、その前に動画を制作するなら最低限知っておきたい5つの用語 エンコード / デコード / コーデック / ビットレート / コンテナ について最初に説明しておきます。

エンコードとデコード

まずは、エンコードおよびデコードという用語から解説します。 "エンコード" とはデータをある規則に従って変換することをいい、日本語では "符号化" と呼ばれます。

エンコードされたデータを元に戻すことを "デコード" といい、日本語では "復号" と呼ばれます。 つまり、エンコードの逆の処理です。

デジタル動画の世界でエンコード・デコードを行う目的は、データ量を少なくするためです。 つまり、データを圧縮するためにエンコードが行われます。

コーデックとは

続いては、コーデックについて解説します。 コーデックというのは、デジタルデータを圧縮するための規格を指します。 つまり、データ圧縮のための数学的な計算方法です。

前述のように、デジタル動画の世界ではデータを圧縮するためにエンコードが行われます。 エンコードする際の規格(計算方法)がコーデックです。

ビットレートについて

ビットレートについても解説しておきます。 ビットレートとは、単位時間当たりのデータ量のことです

デジタル動画の世界では、ビットレートは1秒あたりのデータ量のことを指します。 つまり、1秒間の映像と音声を記録するのに使用するデータ量のことです。 ビットレートを高くすると綺麗に映像を記録することができますが、データ量は増えてしまいます。 逆に、ビットレートを低くするとデータ容量は少なくなりますが画質は悪化します。

固定ビットレートと可変ビットレート


前述の通りビットレートは1秒あたりのデータ量のことですが、ビットレートを一定にする必要はありません。 動きの激しい場面ではビットレートを高く、変化の少ない場面ではビットレートを低くする、ということもできます。

常に一定のビットレートのことを固定ビットレート(CBR:Constant Bit Rate)、ビットレートが場面によって変化する場合を可変ビットレート(VBR:Variable Bit Rate)といいます。

それぞれ長所と短所がありますが、家庭でのホームビデオの編集等であれば可変ビットレートがオススメです。

方式 特徴
固定ビットレート
(CBR)
・エンコード後のデータ量が予測しやすい
・ストリーム配信する動画に向く
可変ビットレート
(VBR)
・エンコード後のデータ量が予測しにくい
・保存する動画に向く

コンテナとは

最後がコンテナについてです。 コンテナとは、映像データと音声データを1つのファイルにまとめて格納するための規格です。

なお、ファイルの拡張子はコンテナの形式で決定されるのが一般的です。 filename.mp4 は MP4 コンテナで、filename.avi はAVIコンテナ、という具合です。

つまり、コンテナ = ファイル形式 であるとも言えます。 コンテナという用語を聞いたら、それはファイル形式のことだと思って問題ありません。

レンダリング(動画の出力)

では、いよいよ動画の出力です。 Pitiviでは動画の出力処理のことを "レンダリング" と呼びます。

レンダリングにより、タイムラインに配置された映像や音楽のクリップが重ね合わされ、時間の流れに沿って出力されます。

では、レンダリングを行いましょう。

1. [レンダリング]ボタンを押す
1. [レンダリング]ボタンを押す

上図のように画面右上にある[レンダリング]ボタンを押します。

2. Render画面が開く
2. Render画面が開く

上図のように新たにRender画面が開きますので、Advancedの三角マークをクリックします。

3. コンテナとコーデック
3. コンテナとコーデック

上図のように詳細な設定項目が出現します。 コンテナが "WebM"で、映像コーデックが "On2 VP8"、音声コーデックが "Vorbis" であることがわかります。

  
"WebM" は、Googleが開発している特許料が不要な動画のコンテナ規格です。 映像コーデックとして VP8 / VP9 / AV1 に、音声コーデックとして Vorbis / Opus に対応しています。

さらに詳細な設定を行ってみましょう。 ここでは映像コーデックのビットレートに関する設定を調整してみます。 可変ビットレート(VBR)で、1秒あたり 2000000 ビットに設定します。

  
ビットレートの数値を大きくすれば高品質になりますが、ファイルサイズは大きくなります。
  
ビットレートの適切な数値は解像度やフレームレート(1秒間のフレーム数)、動画の動きの激しさによって変化します。 今回のカモメの動画は Full HD(1920x1080)の秒間30フレームであるため 2000000 では最低限の数値です。
4. さらに[Advanced...]ボタンを押す
4. さらに[Advanced...]ボタンを押す

上図のように映像コーデックの[Advanced...]ボタンを押してください。

5. 可変ビットレートで 2000000 ビットに設定する
5. 可変ビットレートで 2000000 ビットに設定する

上図のように新たに映像コーデックの設定画面が開きます。 "Rate Control mode" に "Variable Bit Rate(VBR) mode" を選択し、"Target bitrate" に 2000000 を設定します。

  
Target bitrate には目標とするビットレートを設定します。 可変ビットレート(VBR)では、動きの激しい場面ではビットレートが高く、変化の少ない場面ではビットレートが低くなります。 その平均が Target bitrate の数値になるようにコーデックに調整してもらいます。

設定したら[OK]ボタンを押して画面を閉じます。

6. [Render]ボタンを押す
6. [Render]ボタンを押す

上図のようにRender画面に戻りますので[Render]ボタンを押します。

7. レンダリングが開始され進捗が表示される
7. レンダリングが開始され進捗が表示される

上図のようにレンダリングが開始され進捗が表示されます。 しばらく時間がかかりますので気長に待ちましょう。

8. [Play]ボタンが表示される
8. [Play]ボタンが表示される

上図のようにレンダリングが完了すると[Play]ボタンが表示されます。

では、このまま完成動画の確認も行いましょう。

完成した動画のプレビュー

出力された完成動画のチェックを行いましょう。

1. [Play]ボタンを押す
1. [Play]ボタンを押す

上図のように[Play]ボタンを押します。

2. 完成動画が再生される
2. 完成動画が再生される

上図のように動画閲覧ソフトウェアが起動し、完成動画が再生されます。

3. [X]ボタンを押して動画閲覧ソフトウェアを終了する
3. [X]ボタンを押して動画閲覧ソフトウェアを終了する

上図のように[X]ボタンを押して動画閲覧ソフトウェアを終了します。

4. [close]ボタンを押してレンダリング結果を閉じる
4. [close]ボタンを押してレンダリング結果を閉じる

上図のように[close]ボタンを押してレンダリング結果を閉じましょう。

5. [X]ボタンを押してRender画面を閉じる
5. [X]ボタンを押してRender画面を閉じる

上図のように[X]ボタンを押してRender画面を閉じます。

エフェクトのキーフレームについて

キーフレームについての補足です。 この記事では、映像クリップと音楽クリップのフェードイン・フェードアウトにキーフレームを使いました。

映像部分のキーフレームでは不透明度を、音声部分のキーフレームでは音量を操作することができました。

実は、エフェクトでもキーフレームが使えます。 初期状態では映像部分には不透明度のキーフレームが、音声部分には音量のキーフレームが表示されますが、 とある操作を行うことでエフェクトのキーフレームが表示されるように切り替えることができるのです。

エフェクトの各項目に[キーフレーム表示]ボタンがある
エフェクトの各項目に[キーフレーム表示]ボタンがある

上図のようにエフェクトの各項目には[キーフレーム表示]ボタンがあります。 このボタンを押すことで、その項目のキーフレームが表示されます。

  
他のキーフレームは一時的に非表示になります。 再度ボタンを押すと、不透明度のキーフレームと音量のキーフレームに戻ります。
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